北京冬季五輪も終盤に入り、メダルのことが話題になっている。各国の獲得数のみならず、金や銀、銅のメダル獲得した選手は、いくらの報奨金をもらえるのか――。参加国によって大差があるようだ。
「私の人生が変わるだろう」
韓国のハンギョレ新聞は2022年2月16日、「ハンガリー初の金メダル、報奨金は1900万円...1位ノルウェーは0円」という記事を報じている。
ハンガリー初の個人種目で金メダルを獲得したのはリュー・シャオアン選手。ショートトラック男子500メートルで優勝した。さらに混成リレーと1000メートルで銅メダルを獲得した。
米CNBC(電子版)2月14日付記事によると、ハンガリーは今回の冬季五輪金メダリストに16万8000ドル(約1900万円)、銀メダリストに12万6000ドル、銅メダリストに9万6000ドルを授与する。金メダル1個、銅メダル2個を獲得したリュー選手は36万ドル(約4100万円)以上の報奨金が予定されている。ロイターなどとのインタビューで「家に帰れば私の人生が変わるだろうと思う」と語ったという。
CNBCは、国別のメダル報奨金額を掲載。金メダルの報奨金はシンガポール(73万7000ドル)、カザフスタン(25万ドル)、マレーシア(23万6000ドル)、イタリア(21万3000ドル)が多い。そのほか、ブラジルは4万9000ドル、日本は4万5000ドル、カナダは1万6000ドル。
冬季スポーツ強国は金メダルの報奨金は少ない。「フォーブス」によれば、オランダは3万4000ドル、ドイツは2万2000ドル、オーストリアは1万9000ドル。米国も3万7500ドルで、さほど多くない。
16日17時現在で北京大会メダル順位1位(金12、銀7、銅8)を走っているノルウェーは、メダル報奨金自体がない。英国とアイスランドも同じだ。デンマークは金メダリストに1万5000ドルの報奨金を授与する上に免税の恩恵がある。
競技団体によって差
2021年夏の東京五輪では、日本の報奨金について報じられた。日本経済新聞によると、日本は金27、銀14、銅17個のメダルを獲得した。日本オリンピック委員会(JOC)は、東京五輪のメダリストに報奨金として「金」は500万円、「銀」は200万円、「銅」は100万円を贈ることを決めており、支給額は過去最高の計4億円を超えると試算している。
東京新聞はさらに詳しく報じている。混合ダブルスで金メダル、女子団体で銀、女子シングルスで銅を取った女子卓球のエース、伊藤美誠選手の報奨金は計1800万円。その額は、競泳で2つの金メダルの大橋悠依選手、体操で金メダル2つと銀メダル1つの橋本大輝選手を上回る。金メダルの数が少ない伊藤選手の方が報償金額が多いのは、競技団体から出る報奨金に差があるからだという。
日本卓球協会は五輪の金ならシングルスで1000万円、ダブルスは1人500万円、団体で1人400万円を授与する。日本体操協会の報奨金は五輪の場合、金で50万円、銀が30万円、銅は20万円。日本水泳連盟は「報奨金はない」。スケボや柔道も報奨金がないそうだ。
フェンシング男子エペ団体で金の見延和靖選手は、1億円の報奨金と報じられた。これは、協会ではなく所属先企業のネクサス(群馬県高崎市)による。ほかにも所属企業が特別に報奨金を出す例は少なくないと同紙は解説している。