緊張が高まっているウクライナは、過去に「戦い」をテーマにした名作の舞台にもなってきた。映画「戦艦ポチョムキン」は、ウクライナ南部の黒海に面した港町オデッサで起きた反乱がテーマだ。アニメ「機動戦士ガンダム」でも、同じくオデッサが登場する。戦争に引き裂かれた悲運の愛を描いた映画「ひまわり」も、ウクライナで撮影された。
今もある「オデッサの階段」
「戦艦ポチョムキン」は1925年に製作・公開されたソ連のサイレント映画だ。監督はエイゼンシュタイン。ロシア革命の少し前、帝政ロシア時代の1905年に起きた戦艦ポチョムキンの水兵たちの反乱を素材にしている。
「モンタージュ技法」という新しい撮影方法で製作され、その後の世界の映画作品に大きな影響を与えたことで知られる。
黒海を航行していたポチョムキン号はオデッサに入港。水兵たちの反乱は、オデッサの市内にも波及した。映画では、多数の市民が犠牲になったことを描く。中でも有名なのは、「オデッサの階段」シーンだ。母親が撃たれて倒れ、赤ちゃんを乗せた乳母車が巨大な階段を転げ落ちていく場面は映画史に残る。この大階段は今もオデッサにあるそうだ。
「機動戦士ガンダム」は日本のロボットアニメ。フィクションだが、作中の「一年戦争」のときに、地球上におけるジオン軍最大の拠点となったのがオデッサだ。「オデッサの激戦」が展開される。
ヤフー知恵袋には、「『ウクライナ政府はオデッサに~』なんて、ニュースで『オデッサ』と聞いたらついガンダムが頭の中を過りますか?」という質問が出ている。
「ガンダムと同時に『戦艦ポチョムキン』の階段のシーンが出てきます」というのが、ベストアンサーになっている。