大きな鍵は「プラチナバンド」
実は、auのローミングサービスは2020年4月から順次打ち切られている。楽天回線を使えるエリアが増えている半面、この影響か、利用時に「圏外になった」とする報告も多い。
「大手3キャリアでは既に99.99%の人口カバー率です。(96%の楽天と)たった3.99%の差と聞こえますが、やはり『電波の濃さ』が違うのかなと思います」と石川氏。大手キャリアでは、複数の周波数帯を使っていることで電波の濃さが生まれ、つながりやすさにつながっているというわけだ。
楽天モバイルと大手3キャリアとの差はまた、「プラチナバンド」と呼ばれる屋内でも繋がりやすい周波数帯を持っていないことにあると、石川氏は指摘した。
かつて、ソフトバンクもプラチナバンドを持っていなかった時代がある。総務省に割り当てを受けたあとは、一気に繋がりやすくなった話もある。「やはり、プラチナバンドの有無は大きいと思います」。
楽天が約4年前倒しで計画を達成した理由も、そこにあるようだ。「これを受けて次のステップとして、総務省が楽天モバイルに『プラチナバンドをどうやって渡そうか』といった議論になっているところです。今回の前倒しは、次の『つながりやすさ』につなげるための第一歩だと思います」
ただし、プラチナバンドは既に3社に割り当てられ、空きが少ない。大手3社に割り当てられているプラチナバンドを一度返してもらい、再割り当てする必要が生じるという。
「獲得までには、まだまだ苦労することかと思います」。