ボランティア支援「受ける力」を養う 東日本大震災・石巻の経験に学ぶ

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「来てくれるなら歓迎」の姿勢

2017年7月、豪雨災害に見舞われた福岡県朝倉市。ボランティアは重機を使いながら作業にあたった(同年9月、筆者撮影)
2017年7月、豪雨災害に見舞われた福岡県朝倉市。ボランティアは重機を使いながら作業にあたった(同年9月、筆者撮影)

   宮城県では2000年以降だけでも、東日本大震災までにマグニチュード(M)7以上の地震が4回起きている。中でも08年6月14日の岩手・宮城内陸地震はM7.2、東北5県で死者17人という痛ましい災害となった。

   以前から、宮城県沖での巨大地震発生が想定されており、石巻市民の間では地震や津波への関心が高かったと阿部さん。石巻市社協では2005から毎年、住民向けに災害ボランティアフォーラムを実施。地域の区長や民生委員を中心に、多い時には1000人ほどが参加して受援力をテーマに研修をしてきた。

   内閣府「防災情報のページ」に「受援力」という言葉がある。「被災地となった際にボランティアを地域で受け入れるための環境や知恵など、『支援を受ける力』」との説明だ。ボランティア活動に対する理解不足や、地域住民の外から来る人に対する警戒心から、ボランティアの力が生かされない例が、過去にはあった。石巻で震災前に実施した研修会では、こうした受援力の大切さを住民に説いてきた。それが、大震災後に地域がボランティアをスムーズに受け入れるうえで奏功したといえるだろう。

   石巻社協も、外部NPOの協力要請を受ける際に受援力を発揮した。

「我々が受援力をなくしたら終わりだと。支援を申し出る団体は調べたりしましたが、『来てくれるなら歓迎。我々の限界が支援の限界ではない』という姿勢で臨みました」
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