鳥取「ブドーパン」の「伯雲軒」が廃業 店主が語る寂しさとパンへの愛

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親から受け継いだ「ブドーパン」

   60年以上愛され続けている「ブドーパン」は、もともと先代が戦後に作り始めたもの。取材に答えた現店主自身の給食にも出たことがあるそうだ。いつできたかは知らないが、「終戦後モノが売れなくなった時期に試行錯誤して作った、と親からは聞いております」。

「その当時珍しかったんだと思いますが、自家製のラム酒入りバタークリームに、シナモン、ぶどうが入ったパンです。当時にしてみれば栄養が豊富なもの。栄養士から注目もされ、幼稚園等でおやつ提供などを行っていました。それで地域のソウルフードになったという経緯があります」

   廃業に伴い、ブドーパンは終売となる。今後は手に入らない。店主は「寂しさは、あります。もったいないことはもったいないですよね」。誰かに継承したい気持ちはあるが、レシピや言葉だけでは伝わらない部分も多い。愛情を持って日々パンに接してきたことや、顧客の期待を裏切りたくないという気持ちで葛藤し続けたと思いを語った。

「愛情を持って、真面目に、責任感を持って作ってくれる人がいたら、もしかしたら、残るかもしれないです」
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