五輪では必ず、その大会を象徴するようなスーパースターが登場する。今回の北京冬季五輪では、日本の羽生結弦選手だ。フィギュアスケート男子で94年ぶりの3連覇が期待されている。2022年2月8日、いよいよ羽生選手の五輪が始まる。
中国では「柚子」の愛称
羽生選手は6日に北京入りし、7日午後、初めてリンクで練習を見せた。読売新聞によると、世界各国の報道陣が集まる中、4回転サルコーや4回転トウループなどを跳び、クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)にもトライした。
8日にショートプログラム(SP)、10日にフリーの出場。世界選手権3連覇のネイサン・チェン(米国)らと戦うことになる。
羽生選手は中国でも絶大な人気を誇る。毎日新聞によると、中国のインターネット上で、羽生選手は名前の読み方から「柚子(ゆず)」の愛称で親しまれている。中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」のファンサイト「羽生結弦InfoStation」には160万人を超えるフォロワーがいる。「3連覇を願っています」「幸せを祈ります」など、五輪での活躍を期待するメッセージがあふれている。
朝日新聞によると、中国で人気に火がついたのは、2017年にフィンランドで開かれた世界選手権がきっかけとも言われる。表彰式で3位の中国選手が手に持った中国国旗の裏表が逆で、それに気づいた羽生選手が直すのを手伝った。この映像が中国で拡散し、スケートの実力に加えて、「気遣いの人」だと好感度がアップしたそうだ。