「感染症は日本から出ていけ」
節分の豆まきのルーツといわれる宮中行事に「追儺」(ついな)がある。疫病を引き起こす鬼を、日本の領域の外に追い出す儀式だ。中国の「大儺」を模したもので、日本では8世紀に始まったそうだ。
背景には律令国家が成立して国家意識が高まり、日本と外国を分けて、外国を疫病がやってくる場所とする考え方が反映されている。すなわち「鬼は外」の鬼とは、外国から来た疫病神のこと。「感染症は日本から出ていけ」のことだったという。
こうした歴史を知る人の中には、各地の「豆まき」中止を残念がる声もある。昨年2月2日の「ヤフー知恵袋」には、「疫病を退治するのが節分の建前では」「豆まき中止でコロナ感染拡大は収まりません」という投稿が掲載されている。