五輪延期で忍耐が続いた
スポーツ選手にとって、記者会見には光と影が付きまとう。テニスの大坂なおみ選手は記者会見に出なかったことで問題になったことがある。
21年の東京五輪では、競泳女子、米国代表のシモーネ・マヌエル選手が、アスリートが試合で負けた直後にメディアのインタビューを受けることについて、「精神的および感情的に疲弊していること」を理由に強制されるべきでないと、自身のツイッターに投稿して注目を集めた。
東京五輪は1年延期になり、松田選手はさらに長く忍耐を強いられることになった。気持ちを切り替え、1万メートルの代表になろうと挑んだときもあったが、届かなかった。
今回の優勝で、新たな目標としていた「世界陸上代表」に大きく近づいた。優勝インタビューで、松田選手は、「世界陸上という目標に向かって頑張ってきたのでそれが内定することを願って待ちたいと思います」と抑制気味に語った。そして、「最後に一言」と言われ、最もつらかった時期にツイッターで励ましてくれたファンなどを念頭に感謝を述べた。
「どんなときも味方でいてくれて、応援してくださるみなさん本当にありがとうございます。たくさんの応援本当にうれしかったです。2年ぶりに大阪に帰って来て、優勝という結果で終われたことを本当にうれしく思います。『松田瑞生ここにあり』という走りができるよう精進して参ります。また温かいご声援よろしくお願いします」