国立公園トレッキング体験
記者はまず、ヒノキの間伐体験に参加した。なおこれは、販売対象ではない。
林業に携わる地元の人から、「スギやヒノキが植えられてから60年ほど経っていて、今がまさに出荷する時期」であり、今、間伐をしないと「常緑樹が生い茂り、森の中に陽が当たらず、動物や植物が住むことができない暗い、死の森になってしまう」、そうした森が日本中に多く存在するといった点を聞いた。
木を切る手順を教わり、参加者が代わる代わる少しずつミニのこぎりで切る。最後はロープに滑車を付けて引っ張って倒す。
自分が切った部分はわずかではあったが、木が倒れた瞬間は感動ものだった。その木の枝を切り取って1本分の作業は完了する。後日、専門の業者が運び出し、小さく切ったり乾燥させたりしてホテルで箸作り体験に使われる。
実は、こうした木を森の外に搬出するのにも費用がかかるので、森の中に置き去りにされることもあるそうだ。
ホテルに戻るとラウンジで早速、ヒノキの間伐材を使った箸作り体験だ。ほぼ箸の形にカットされているので、紙やすりで好きな形に磨く作業。黙々と作業を続けた。思った形に仕上がると、達成感でいっぱいになった。
夕食はダイニングで。メインは薪グリルの鹿肉のローストだ。柔らかくてジューシーで香りの良い鹿肉に舌鼓。地元の鹿肉を使った、地産地消の「エシカルダイニング体験」である。
大きめのカットだったが、ヘルシーでジューシー、旨みがある肉だったので、あっという間に食べ終わった。
5皿からなるディナーコースはいずれも趣向が凝らされていて、見た目も美しい。
朝ごはんはブッフェ。人気のエッグベネディクトを頼むと大きなプレートで提供された。多彩で魅力的なブッフェ台からスモークサーモンやチーズ、サラダ、スープなどをチョイスした。
翌日は徒歩でホテルを出発し、トレッキングマップを片手に、緑溢れる「富士箱根伊豆国立公園」の自然の中をトレッキング。細い道やアップダウンのある、バス道とは違う裏道を辿る「ナショナルパークトレッキング」体験ではいつも見る強羅と違う表情の景色に新鮮さを感じた。
ホテルに帰るころには夕方になっていた。帰りのバスまで時間があったので、水着を借りて大浴場で温泉に入り温まった。