「堂安を見たときは『うぉっ』て」 久保竜彦が示すスーパースターの条件

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主導権握られると最後苦しく

――よく「アジアと世界では戦い方が違う」と聞きます。それは、アジアは相手が引いてくる以外に違いはあるのでしょうか。

久保:W杯行ったことないからなぁ...。主導権を握るのと握られるの(が違うの)は、誰でも感じていると思うけど。

――サッカーなので、試合中に主導権は移り変わります。その中で日本は、アジアでは7握れるけれど、世界だと3程度しか握れないといった比重になるかと思います。主導権を取れないと、かなり変わりますか。

久保:苦しくなるんですよね、最後の所で。時間帯でも苦しくなるし。そこで、ちょっと頭ボヤけて、(立つ)ポジションをミスったり、トラップミスしたりが起きやすくなると思う。些細なことだと思うけど、頭が動かなくなるっていう。一瞬フワッてなったりとか、(選手には)あるんですよね。最後の何分かで、今言ったようなことが起こる。だからサッカーの試合時間の90分って、本当にうまく出来ていますよ(笑)。

――久保さんも出場した、イングランド代表のホームスタジアムに乗り込んだ親善試合では、基本的に相手が主導権を握っていました。ある程度、それは仕方がないというような話はあったのですか。

久保:話してますね。10分くらい経って、「(いつもと同じ試合運びは)難しい」となると、ポジションちょっと変えたり、(FWの)距離を(自陣寄りに)下げてみたり、全体の調整はやっていました。フク(福西崇史)、俊輔、満男は、そういうのを感じるのが早かったです。

――アジア予選では相手に主導権を渡すって、なかなかない。でもイングランド相手では...。

久保:やっぱ前にすごいヤツがいると、そうなっちゃうんですよね。(失点が)怖いから(自陣に下がってしまう)。自分の目から見たらイングランドのバックライン(G・ネビル、テリー、キャンベル、A・コール)なんて、穴がなかったですもん。自分はその程度の選手だった(笑)。でも、ロナウド(元ブラジル代表:フランスW杯MVP・日韓W杯得点王)だったら、余裕で穴を見つけるでしょ(笑)。そうなれば、相手DFも下がらざるを得なくなって、主導権を握れる。

文:石井紘人(いしい・はやと)
   ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。著書に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)など。『フェアプレーの鏡』(フジテレビ)など番組制作にも関わる。『TokyoNHK2020』サイトでは一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「将棋をスポーツ化した競技『ボッチャ』」などを寄稿。
   株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作したDVD『審判』、日本サッカー名シーン&ゴール集『Jリーグメモリーズ&アーカイブス』の版元。現在『審判第二弾』を制作中でもある。

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