新種の甲殻類に「オシリカジリムシ」 14年前の虚構新聞記事が「現実」に

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   鹿児島県出水市で鹿児島大学が発見した新種の甲殻類に、「オシリカジリムシ」という和名がつけられたと2022年1月25日、複数のメディアが報じた。あごを使って魚の尻びれにかじりつくような姿から、「NHKみんなのうた」のキャラクター「おしりかじり虫」にちなみ、「オシリカジリムシ科」の「オシリカジリムシ」と命名したとのことだ。

   実は「オシリカジリムシ」を冠した生物の存在は、嘘ニュースで知られるウェブサイト「虚構新聞」が2007年に「報道」していた。これで「ウソから出たマコト」になった!?

  • 架空の報道が現実に (画像は虚構新聞記事のスクリーンショット)
    架空の報道が現実に (画像は虚構新聞記事のスクリーンショット)
  • 架空の報道が現実に (画像は虚構新聞記事のスクリーンショット)

「虚構」では「肉食性のダニ」

   07年11月15日付虚構新聞は「肉食性のダニ『オシリカジリムシ』が原因で、国内初めての死者が出た」とフィクションの事故を伝えていた。記事内では、このダニがキャラクター「おしりかじり虫」のモデルになったと設定されていた。

   鹿児島大の発見はダニではないが、新種の甲殻類が「オシリカジリムシ」と命名されたことで、虚構新聞の記事の一部が今回、「現実」になった形だ。

   虚構新聞の報道内容はこれまでに複数回、現実化している。そうなると架空ニュースではなくなるため、「誤報」をサイト上で謝罪する事態となっている。

   20年9月12日には新型コロナウイルス禍中の小学校の運動会で、児童同士が適切な距離を保てるよう長さ2メートルのバトンを使ったリレーが開かれた、と発信した。

   同27日付の毎日新聞(電子版)は、実際に神奈川県相模原市内の運動会でソーシャルディスタンスを保つため、2メートルのロングバトンを使ってのリレーが開催されたと報じた。虚構新聞はこれを受け、「記事が一部現実化してしまったことを、関係者と読者のみなさまに深くおわびいたします」と翌28日に謝罪した。

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