VR世界を30人で団体旅行 移動、観光、温泉を欲張りに楽しむ「VRCTrip」

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【連載】VRはじめの一歩

   「VR(仮想現実)」を基本の「キ」から押さえつつ、「VRを楽しむ達人」を目指す連載。ナビゲート役は、「メタバース」でのマーケティングや調査を手掛ける「往来」代表取締役の東智美(VR上でのアバター名:ぴちきょ)さんだ。

   VRヘッドセット「Oculus Quest2(オキュラスクエスト、以下Quest2)」を手に入れたものの、コンテンツが多すぎて何を楽しめばよいかわからない...。前回はぴちきょさんに誘われ、VR向けSNSアプリ「VRChat」に存在する「授乳カフェ」で、いやしの時間を過ごした記者。今回は「イベンター」の力を借り、団体旅行へ出かけることにした。

  • メインコンダクターのひととせハルさん(後列左)、サブコンダクターの勇希夏矢さん(後列右)、記者はネコのアバターで参加(中央)
    メインコンダクターのひととせハルさん(後列左)、サブコンダクターの勇希夏矢さん(後列右)、記者はネコのアバターで参加(中央)
  • 移動中の汽車内。笑い声が絶えなかった(Hiroshige No.36にて/画像2)
    移動中の汽車内。笑い声が絶えなかった(Hiroshige No.36にて/画像2)
  • 木箱の山(左奥)を、ピッケル(右奥)で壊して進む(Sunshine Cove  [MapAWeek]  pt.7にて/画像3)
    木箱の山(左奥)を、ピッケル(右奥)で壊して進む(Sunshine Cove [MapAWeek] pt.7にて/画像3)
  • 露天風呂で旅の疲れを癒やした(ケセドの桜旅館-CHESED’s SAKURA RYOKAN-/画像4)
    露天風呂で旅の疲れを癒やした(ケセドの桜旅館-CHESED’s SAKURA RYOKAN-/画像4)
  • メインコンダクターのひととせハルさん(後列左)、サブコンダクターの勇希夏矢さん(後列右)、記者はネコのアバターで参加(中央)
  • 移動中の汽車内。笑い声が絶えなかった(Hiroshige No.36にて/画像2)
  • 木箱の山(左奥)を、ピッケル(右奥)で壊して進む(Sunshine Cove  [MapAWeek]  pt.7にて/画像3)
  • 露天風呂で旅の疲れを癒やした(ケセドの桜旅館-CHESED’s SAKURA RYOKAN-/画像4)

「移動、観光、温泉」を楽しめるワールドツアー

ぴちきょさん「VRChatには個性豊かなワールドがたくさんあります。VR上でのイベント企画・運営が得意な人に、旅行プランを作ってもらいませんか」

   この提案と同時に、VR旅行代理店サークル・YAL(ゆるふわエアライン)の、ひととせハルさんを紹介してもらった。「VRCTrip」という、(1)汽車に乗って目的地へ向かい、(2)観光地で気ままに観光し、(3)最後は温泉旅館でまったりする、ワールドツアー型イベントを定期的に手がけている。

   コロナ禍の今、「たくさんの人とワイワイ盛り上がりながら、観光しがいのある場所を巡りたい」。ひととせハルさんにこうリクエストすると、数日後VRCTripのポスターとチケットがツイッターのDMに送られてきた。「参加者の気分を高める工夫をここまでしてくれる人は、一握り。ひととせハルさんは『体験』をプレゼントしてくれるイベンターなんです」とぴちきょさん。チケットがなくても参加できるが、手元にあるだけでワクワク感が段違いだ。

   イベント当日。VRChatで、ひととせハルさんと予め「フレンド」になっておき、「ジョイン」する。一瞬で、青天の下で咲き誇るひまわり畑が広がった(ワールド名「夏の訪れ-The arrival of summer-」)。ここが、旅の出発地点。景色に目を奪われていると、ぴちきょさん(カメラマンとして記者に同行)とひととせハルさん、そしてもう一人男性のアバターが近付いてきた。今回サブコンダクターを務める、勇希夏矢さんだ。

   次々と参加者が現れ、みるみるうちに30人近くになった。周囲で「はじめまして」とやりとりが繰り広げられ、人混みにいるような錯覚に陥る。目前の相手と会話するのにも、大声を出さなければならないほど。

ひととせハルさん「それでは皆さん、移動しまーす!まずは汽車に乗りますよ」

   メインコンダクターが号令をかけ、次のワールドにつながる「ポータル」(複数人で同一のワールドに入るための仕組み)を開く。飛び込む時にはもう、「仕事」で来ていることを忘れかけていた。

ワールド間を移動する際に入る「ポータル」(写真右はサブコンダクターの勇希夏矢さん)
ワールド間を移動する際に入る「ポータル」(写真右はサブコンダクターの勇希夏矢さん)

〇東智美(ひがし・ともみ)株式会社トーモ/株式会社往来 代表取締役
2009年、ウェブ・グラフィック制作を主要事業に東京都港区に株式会社トーモを設立。16年に自社ブランド「RAKUNI」をつくりスマホアクセサリーの販売事業を開始した。2021年3月にメタバースでのマーケティングや調査を手掛ける株式往来を立ち上げ、3月25日にエムディエヌコーポレーションより『仮想空間とVR』を上梓。
媒体やブロガーとのメディアリレーションを得意分野とし、自らも「flick!」「日経クロステック」などに連載を持ち、「FNNプライムニュース α」の海外テックイベントのレポーターを務めるなど、ネットや媒体を積極的に活用した販促活動を行っている。

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