オミクロンで「終息」するのか
オミクロン株の大流行を最後に、コロナ禍も終息するのではないかという観測も一部で根強い。中には、軽症のオミクロンに感染すれば、今後の新株の出現に対して免疫ができるのではないかと考えている人もいるようだ。こうした見方に対し、英国在住の免疫学者・医師の小野昌弘さんは、「Yahoo!ニュース個人」に掲載された「オミクロンが『自然のワクチン』にならない理由」で詳しく解説している。
それによると、「デルタでできる免疫からオミクロンは逃避するので、デルタ感染したことがある人にも簡単に感染できてしまいます。この逆もまた理論的には考えられます。オミクロンに感染することで人体がつくる抗体は、デルタなどほかの変異株には効きが悪いという可能性が十分にあります。実験による検討が必要ですが(現在なされていると思われますが)注意すべき可能性です」。
つまり、デルタ株に感染した人がオミクロン株に感染しているように、オミクロン株に感染した人が別の変異株に感染する可能性はある、ということだ。
小野さんは、「(新たに)オミクロンともデルタとも異なるタイプの免疫学的特性をもつ変異株が問題になる可能性もまた十分にあります」と、改めて新型コロナウイルスのしたたかささに注意を喚起している。