ゆうちょ銀行で硬貨を入金すると、合計枚数によって手数料がかかるようになった。硬貨取り扱いに対する手数料は、三菱UFJ銀行が窓口で101枚以上入金すると徴収するなど、他行にも広がっている。
さい銭で多くの硬貨を扱う寺社にとっても、悩みの種だろう。一方、年末年始にかけて「さい銭泥棒」の出現も相次いで報じられており、硬貨をめぐるトラブルは尽きないようだ。寺社側の対策は。
夕方以降のさい銭「ご遠慮」を
KSB瀬戸内海放送は1月14日、岡山県高梁市の神社で2021年11月にさい銭を盗もうとした男性が、窃盗未遂容疑で逮捕されたと報じている。
また22年1月17日付テレ朝NEWSによると、長野県上田市の神社でさい銭を盗もうとした男性が14日に現行犯逮捕。1月18日付ABEMA TIMESも、福岡市の神社でメジャーを伸ばし、さい銭箱の中を漁っていた男性が15日に現行犯逮捕されたとしている。
J-CASTトレンドは玉敷神社(埼玉県加須市)の宮司・宮内由紀子さんに取材した。「さい銭泥棒」対策の取り組みの一つとして、
「扉や鍵も壊す賽銭泥棒対策の為 午後5時〜翌朝午前6時半 お賽銭のお納めはご遠慮いただけますようご協力お願いいたします」
「※不審者の通報にもご協力くださいませ」
との案内書きを境内に張り出し、参拝者に協力を求めている。さい銭の窃盗に対する抑制効果もねらっているという。最近では被害が出ていないが、昔からさい銭泥棒が出ることはあったとのことだ。
キャッシュレス決済も有効か
2021年12月9日のテレ朝newsによると、防犯カメラを設置してさい銭箱を監視する神社が増えているという。この中で防犯用品会社の担当者は、新型コロナウイルス禍の中で少額の盗難の相談が例年より増えていると話していた。
20年12月27日付中日新聞によれば、この年の石川県内では4月から12月までに15社でさい銭が盗まれる被害が相次いだ。県神社庁の担当者は対策として、「さい銭箱の中身を確認する頻度を高め、防犯カメラを設置すること」を挙げたという。
防犯のため、さい銭に「キャッシュレス決済」を活用するケースもあるようだ。2020年9月17日付ダヴィンチニュースが紹介しており、東京・港区の愛宕神社は「賽銭泥棒防止」を目的に「楽天Edy」を導入したとしている。