「特殊詐欺」検挙にAIお手柄 自宅の電話に設置できるんです

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   特殊詐欺対策にも「人工知能(AI)」の時代か。警視庁は、特殊詐欺の「受け子」として東京都品川区の女性から現金をだまし取ろうとした少年を、詐欺未遂容疑で逮捕した。2022年1月18日に警視庁がそう発表したと、複数メディアで報じられている。

   18日の朝日新聞デジタルによると、少年は女性のおいを装って電話をかけたが、女性宅には「特殊詐欺対策アダプタ」という機器が設置されていた。AIが不審な電話を探知して親族などに知らせる機能を有しており、機器によってうその電話に気付いた区職員が署に通報したという。便利そうだが、「自分もほしい」と思った場合にはどうすればいいだろうか。

  • 特殊詐欺対策アダプタ(NTT東日本広報の提供)
    特殊詐欺対策アダプタ(NTT東日本広報の提供)
  • 特殊詐欺対策アダプタ(NTT東日本広報の提供)

通話データをクラウドで分析

   品川区の生活安全担当課長の森田武人氏に取材した。この特殊詐欺対策は、NTT東日本が提供している製品だという。

   NTTが提供する「特殊詐欺対策サービス」だ。公式サイトによると、「特殊詐欺対策アダプタ」に録音した通話録音データをクラウドに転送し、「特殊詐欺解析サーバ」でAIが解析する。特殊詐欺だと疑われる場合に、本人や親族の電話番号やメールアドレスに注意を促す連絡が入る。

   品川区公式サイトによると、区では2021年8月からこれを試験的に導入し、設置の補助事業を実施。導入に伴う工事費用を負担している。月額費用はNTTとの契約に基づいて利用者が支払う。区内在住・65歳以上で、警察各署が被害にあうリスクが高いと判断した人の家に設置する方針だ。

   森田氏によると、導入の申込みは区内の警察署で受け付けている。警察署には、特殊詐欺や被害に関する不安を相談する区民に向け、導入を推めてもらうようにしているという。補助事業では合計で50台を用意しており、現在17台が設置済みだ。ただ2021年度の補助は1月21日を期限としており、以後の補助事業は今後検討していく。

   今回の一件について「被害を防止できてよかったです」と森田氏は話す。詐欺被害防止には機器の利用だけでなく、高齢者の家族や周辺の人による声かけといった協力も重要だとし、今後も対策を続けていきたいとした。

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