SF映画に出てきそうな見た目になれるメタバース(仮想空間)向け機器がある。VR(仮想現実)ヘッドセット「MeganeX(メガーヌエックス)」と、音漏れ防止機能付きマイクの「mutalk(ミュートーク)」だ。パナソニックグループの「Shiftall」(東京都中央区)が、2022年中に発売を予定している。
同社からは「冷温」デバイス「Pebble Feel(ペブルフィール)」も登場予定。こうしたVR機器を使うと、仮想の街やゲームの世界に入ったかのような体験ができる。J-CASTトレンドは1月17日、開発中の3製品を体験した。
軽量で疲れも軽減
まずはメガーヌエックス。広報の深谷友彦さんによると、大きな特徴は「高解像度・超軽量」。「疲れに直結し得るため、『軽さ』はこだわった部分」と話す。重さは約250グラムだ。
両目で解像度「5.2K」というディスプレーは、有機ELを採用している。箱型やゴーグルのような形状をしたVR機器も多い中、メガネ型は珍しいかもしれない。
装着し、VR空間をのぞく。一般的な液晶に比べると、黒色の発色がクッキリとしている印象だ。最初は両目のピントが合わなかったが、本体下側のダイヤルを回すことで視度を調整できる。
ペブルフィールは、下部に金属製の放熱板のついたデバイスだ。電流の流れによって温度が変化する「ペルチェ素子」を内蔵。首筋から背中にかけて装着して使うと、仮想空間内に設定された気温などを体験できる。
記者はペブルフィールを手にとった。深谷さんが設定をいじる。「あちっ」という声が出る程度に放熱板が熱くなった。温度設定を逆に切り替えると、2秒程度で「キンッ」と冷たくなった。想像以上に変化はスピーディーだ。
手で持ってそのまま口に当てても
そして「ミュートーク」。音漏れ防止機能付きで、メタバース向けではありつつ、ビジネス用途も想定している。通話しながらゲームなどを楽しんでいると無意識に大声を出してしまうこともある。そんな時に、周囲の人に迷惑をかけないためのマイクだ。
深谷さんによると、「『ノイズキャンセリング』のように電気的ではなく、物理的に消音をしています」。
手で持ってそのまま口に当ててもいいし、バンド(帯)で顔に固定して使ってもいい。これも試してみる。マジックテープで留められるバンドで固定し、口をすっぽりと覆う。深谷さんによると、空気を通す機構は存在している。ただ、口で呼吸したところ、すこし息苦しく感じた。個人差があるかもしれない。
深谷さんに装着してもらい、普通の音量のつもりで喋ってもらった。じかに伝わってくる声は、何を言っているのかわからないほど小さい、一方、ミュートークと無線接続しているヘッドホンからは、ちゃんと話している内容が聞こえた。記者も装着し、10メートル先の人に話しかけるイメージで大きな声を発した。結果、外へは小声程度の音量が響いた。なかなかの消音性だ。
メガーヌエックスとミュートーク両方を装着してみた。物々しい外見とは裏腹に、メガーヌエックスの軽量さと、メガネに似たかけ心地のおかげで、圧迫感はあまりない。メガーヌエックス・ペブルフィールは22年春に、ミュートークは夏に発売予定だ。