オミクロン株の重症者ジワリ増加 ピークの半月後が山場も3回目接種まだ

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   オミクロン株による新型コロナウイルスの急拡大が続いている。無症状・軽症が多いとされているが、じわじわと重症者も増えている。すでに少数ながら死者も出始めた。このままのペースで感染が拡大すると、2月上旬には地域によっては医療体制がひっ迫すると専門家は懸念している。

  • 3回目のワクチンに加えて治療薬の普及も待たれる
    3回目のワクチンに加えて治療薬の普及も待たれる
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医療への負荷増を懸念

   全国の感染者数は2022年1月15、16日と連続して2万5000人台となり、過去最高をまもなく超えそうな勢い。重症者も1月2日には52人だったが、10日に100人、15日には235人まで増えている。

   読売新聞によると、千葉県と静岡市は15日、いずれも11日に死亡した高齢の男女について、それぞれオミクロン株に感染していたと発表した。2人には基礎疾患があったが、オミクロン株に感染した人の死亡が判明したのは初めて。

   今後の見通しについて、京都大学の西浦博教授は日本テレビの取材に対し、「オミクロン株の流行は20~30日間でピークを迎える可能性が高い。そのピークから15日以上遅れて重症者が増える傾向がみられている」と指摘している。

   この分析は、3回目の接種がかなり進んでいる英国の例をもとになっている。まだ多くの高齢者が3回目接種を受けていない日本では、医療への負荷が一層大きくなるリスクがあるとしている。日本テレビは、「感染者数や病床使用率だけをみながら対策していると、手遅れになるかもしれない」と解説している。

療養・入院治療者は10万人

   厚生労働省のウェブサイトによると、昨年段階で、新型コロナウイルスの重症化する人の割合は 約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)。死亡する人の割合は 約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)。

   「重症化する人の割合」とは、新型コロナウイルス感染症と診断された症例(無症状を含む)のうち、集中治療室での治療や人工呼吸器等による治療を行った症例または死亡した症例の割合だ。1000人が感染すれば16人が重症化し、10人が亡くなる。コロナの「重症」は死のリスクが極めて高いことがわかる。第5波では、自宅療養中に死亡した人の37%は当初、無症状か軽症だったことも分かっている。

   これは、現在流行中のオミクロン株には直接当てはまらないものの、全国の療養・入院治療者はすでに約10万人。第5波の4割程度になっている。沖縄では重症の一歩手前の中等症の患者が増えている。病床利用率も50%前後まで上昇している。

   東京都の病床使用率も20%に迫り、「まん延防止等重点措置」の適用要請を検討する基準に近づいている。

   和田耕治・国際医療福祉大学大学院教授は17日朝のNHKニュースで、「2月上旬にも地域によっては病床がひっ迫する」と語っている。

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