若い世代が描く理想の上司像とは、どんなものだろう。明治安田生命は毎年2月、新入社員が選ぶ「理想の上司」ランキングを発表している。2021年は、男性1位がお笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良さん、女性1位が日本テレビアナウンサー・水卜麻美さんが選ばれた。いずれも理由に「優しい」や「親しみやすい」というキーワードがある。
インターネット上では、指導で部下を叱る行為について「やめたほうがいい」「叱られるのが嫌だ」といった声が出る。怒らない、優しい上司こそが至高なのか。入社2~3年目の20代男女3人に意見を求めた。
「解決策を」「筋通っていれば」
入社2年目でサービス業に就く男性Aさんは、「上司にどう指導してもらいたいかは、考えたことないです」と話した。では「叱られる」のは、どうか。
「怒られて成長のためになるなら、怒られたいです! 自分のためを思って怒ってくれる人なんて、親以外にあまりいないですし」
前向きな答えだ。ただし、周りに分かる形で特定の人を「つるし上げる」怒り方には反対する。「みんなの前で怒られている人を見ると、士気が下がります」。
パワハラについてAさんは、「相手がパワハラと思えばパワハラ」と考えているそうだ。上司が1度怒鳴っただけではそう判断しなくても、それまでの振る舞いがパワハラ的であれば、怒鳴られたときにパワハラと受け止めるのだという。逆に望ましい指導方法は「怒るだけでなく、具体的な解決策とか『こうしたらこうなるから、こうして欲しい』まで言ってくれること」とのこと。
男性のBさんは、公務員3年目。指導方法について「なるべく1回目は具体的に指示してくれると動きやすい。丁寧じゃなくてもいいから、大切なことだけは漏れなく教えてほしい」と話した。怒られる場合は「内容に筋が通っていればいい」。「成長のため」と理不尽に怒られるのは嫌だという。