在日米軍からオミクロン株は漏れてきた? 感染症に軍が関係、過去にも

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ナポレオンはシラミに負けた

   軍隊そのものが大感染症の打撃をこうむったこともある。

   ナポレオンのロシア遠征では、60万人の遠征軍で少なくとも38万人が死んだ。一般的には「ロシアの冬」に敗れたということになっているが、『人類は「パンデミック」をどう生き延びたか』(青春文庫)によると、死者の3分の2が何らかの感染症。一番多かったのはシラミが媒介する「発疹チフス」だった。最強を誇っていたナポレオン軍は実はシラミに負けたということになる。

   古代のローマ帝国も感染症に直撃された。『世界史を変えた13の病』(原書房)によると、強大な軍事力を背景に北はスコットランドから南はシリアまでを領地に繁栄をつづけたローマ帝国の衰退の一因には感染症(疫病)があったという。

   皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌス(121~180)のお抱え医師、ガレノスが当時蔓延した疫病について詳細な記録を残している。謎の疫病が165年から167年にかけてメソポタミアからローマに到達。ローマ軍の軍人たちも罹患し、軍がガタガタになった。それに乗じて一時はゲルマン人がローマにまで攻め込んできた。最終的には押し返したが、ローマ帝国の最強神話がぐらつくきっかけになった。

   皇帝マルクス・アウレリウスもこの病気で死んだといわれている。『ローマ帝国衰亡史』で知られるギボンは、「古代世界はマルクス・アウレリウス統治時代に降りかかった疫病によって受けた打撃から二度と回復することはなかった」と書いているそうだ。

   この疫病は、今では天然痘だったのではないかと見られている。

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