コロナ感染拡大で西安がディストピアのよう 外に出ただけで殴られる

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北京隣接の天津でも市中感染

   1月5日には、西安市のビッグデータ資源管理局の劉キン副局長(41)も、職責を十分に果たさなかったとして停職処分を受けた。

   中国ではコロナ禍初期から個人の感染リスクや直近の行動履歴、PCR検査・ワクチン接種履歴が表示されるアプリ「健康コード」が普及している。感染拡大期には交通機関の利用や建物の出入りなどあらゆる移動で健康コードの提示が求められるが、12月下旬、1月上旬と健康コードへのアクセスが殺到して、一時システムがダウンした。劉キン副局長はこの責任を取らされた形だ。

   感染を広げたら処分されるが、感染対策をやりすぎて市民生活に支障をきたしても処分される。感染者数は順調に減っているが、検索サイトで「西安」と入力すると予測変換で真っ先に「混乱」が表示されるほど、社会はパニックに陥っている。

   1月9日には天津市でオミクロン株の「市中感染」とみられるケースが中国で初めて確認され、早速全市民1300万人のPCR検査が始まった。天津は五輪開催地の北京市に隣接しており、西安以上の厳戒態勢も予想される。

【連載】浦上早苗の「試験に出ない中国事情」

浦上早苗
経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。「中国」は大きすぎて、何をどう切り取っても「一面しか書いてない」と言われますが、そもそも一人で全俯瞰できる代物ではないのは重々承知の上で、中国と接点のある人たちが「ああ、分かる」と共感できるような「一面」「一片」を集めるよう心がけています。
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