餃子(ギョーザ)専門店を見つけたが、中に入ってみると店員がいない――。新型コロナウイルス禍の中、無人販売方式で冷凍餃子などを提供する店が増えている。地方などで見かける、野菜の無人販売所のような形態だ。
24時間営業のところも多く、人によっては嬉しいサービスかもしれない。
東京・名古屋・京都と各所で
JapanPlanning(東京都渋谷区)は、24時間営業の無人餃子直売所「やさしい餃子きたもと」の1号店を2021年9月1日に東村山市にオープンしている。冷凍餃子が売られており、1箱30個入りで1000円(税込、以下同)だ。
8月31日の発表時の動画では、購入の流れを紹介している。来店客はまず店内の冷凍庫から餃子の箱を取り出し、店内の壁にある料金投入口に現金を入れて支払う。9月1日以降も、都内を中心に新たに10軒近く出店している。
YES(国分寺市)が運営する「餃子の雪松」も、冷凍餃子の無人販売で知られる。21年12月12日付日刊ゲンダイDIGITALによれば、19年夏に都内で24時間営業の無人販売所をスタートし、記事時点で全国に約300店舗を出店しているという。
記事に登場したYESのマーケティング部長によると、新型コロナ感染対策のためではなく、多くの人に利用してもらうために無人販売を始めた。結果的には、「自粛生活が運営の追い風」になったとのことだ。公式サイトによると、こちらの餃子は1袋36個入りで1000円。
ラーメンや中華レストランを展開するJBイレブン(名古屋市)も、21 年6月17日に「無人ギョーザ販売所『50年餃子』」1号店を東海市にオープン。無人店舗で、冷凍餃子を24時間提供している。同社の21年11月12日の投資家向け発表によると、4か月で計8店舗を展開している。
京都市では、「祇園餃子」という無人販売所が展開されている。24時間営業の、冷凍餃子販売店だ。21年11月18日付SankeiBizによると、クリーニング店やコインランドリーを展開する福田晃正さんが経営。同年8月に事業を開始し、11月までに計6店舗を出店した。
コインランドリーのように無人で24時間営業できる営業形態に魅力を感じていた福田さんが、新たな分野への進出を模索していたところ、冷凍餃子の販売にたどり着いたとのことだ。
冷凍ラーメンの無人販売所も
コロナ禍では、冷凍ラーメンの自動販売機も度々注目を集める。丸山製麺(東京都大田区)のラーメン自販機「ヌードルツアーズ」は、全国の有名店の冷凍ラーメンを販売している。21年3月23日に大田区上池台の丸山製麺本社前に初登場。都内だけでなく全国に展開している。
自販機に留まらず、上述の餃子専門店のように建物を構えた無人販売所も登場している。羽田製麺(福島市)の公式フェイスブックによると、同社は21年10月28日に冷凍ラーメンの無人販売所「麺食人(メンショクニン)」を福島市にオープン。店内の冷凍室には冷凍スープと麺が陳列され、いつでも冷凍ラーメンを購入可能だ。