オミクロン株の感染拡大が急ピッチで進むにつれ、これまでの新型コロナウイルスとは異なる異次元の手ごわさが報告されるようになっている。重症化の確率は低いというものの、短期間に感染者が増加し、医療や警察消防、交通機関などの従事者に欠勤が続出することで、社会的インフラが一気に機能マヒに陥りかねないというのだ。
欠勤率は40%を想定
その兆候は、すでに最大の感染地、沖縄で現れ始めている。沖縄タイムスは2022年1月7日、「オミクロン株 感染力の強さ別次元 感染症医『格段に手強い』 社会インフラに支障の恐れも」と報じている。
「『オミクロン株』が、デルタ株とは違う形の脅威を見せている。重症化リスクは低いとされるが、感染力の強さは別次元。医療従事者らエッセンシャルワーカーが感染者や濃厚接触者になるケースも相次ぎ、長期間の業務離脱に伴い社会基盤そのものが揺らぎつつある」
同紙によると、沖縄県内の医療現場を担う医師や看護師ら220人が新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者になり、勤務を外れる事態となっている。
朝日新聞も同日、「デルタ株とは別の病気」「医療従事者の欠勤増加」と類似の記事を掲載している。
重点病院での医療従事者の欠勤が増え、沖縄県で5日に開催された専門家会議では、参加者の一人が、「ピーク時の職場の欠勤率は40%を想定している」と語った。座長の藤田次郎・琉球大教授は、「インフルエンザなら薬を飲めば熱が下がって数日で職場復帰できるが、コロナは休む機関が長い。このため社会インフラに与える影響が大きい」と話している。