後手に回る対応
朝日新聞によると、沖縄では、米海兵隊基地キャンプ・ハンセン(金武町など)で始まった米軍関係者の大規模感染が9つの基地に広がり、計832人にのぼっている。
米軍から報告を受けている県によると、ハンセンでは日本側の検疫を受けずに米国から直接入国した部隊で12月15日に大規模感染が判明。感染者は1月3日までに計512人となった。ハンセン以外の基地でも徐々に感染が確認され、米海兵隊キャンプ瑞慶覧(北中城村など)で計93人、米空軍嘉手納基地(北谷町など)で計82人、米海兵隊牧港補給地区(浦添市)で計35人など。
沖縄タイムスによると、クラスターが発生した部隊が出入国前後にPCR検査を実施していなかったことを日本政府が発表したのは12月22日。クラスターに関するPCR検査で、検体の47%がオミクロン株と分かったのが29日。入国後24時間以内のPCR検査や抗原検査を在日米軍が始めたのは30日だった。
沖縄県や県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)は口頭申し入れも含め、少なくとも米軍や日米両政府に6度、感染防止対策の徹底や強化を求めていた。同紙は「政府や米軍の対応は後手との印象は否めない」と書いている。
また、山口県の岩国基地では年明けの3日間で50人の感染が発表されている。
中国新聞によると、山口県の村岡嗣政知事は岩国市の福田良彦市長と連名で、米軍岩国基地に感染対策の徹底などを盛り込んだ要請文を出した。林芳正外相と岸信夫防衛相にも同様の文書を出し、米側に求めるよう要請したという。
朝日新聞によると、青森県三沢市は4日、12月26日から1月3日までに米軍三沢基地(三沢市)の米海軍関係者56人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表。すでに基地関係者の県民1人の感染も確認され、県は、米軍の陽性者から感染した可能性があると説明している。