久保竜彦「アジア予選は苦戦して当然」 戦ったからこそ分かる難しさ

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スーパースターでないとすぐ結果出せない

――森保監督のメンバーの固定化が批判されています。ジーコ監督時代も同様の批判があり、久保さんは控え組の時もあれば、先発組の時もありました。控え組の時は「早く俺たちを使え」と思っていましたか。

久保:紅白戦や親善試合では「自分もやれる」と思っていました。でも、アジア予選でオマーンと試合をするのは全然違う。独特の流れとか難しさのあるアジア予選で「ああ、やれるな」と思うのに5、6試合かかりました。

――それは国際親善試合に何試合出ようと...

久保:関係ない。

――そういった意味では、メンバーの固定化は監督としてはリスクを軽減させるためというわけですね。

久保:選手がなじんでいない、慣れていない......森保さんも色々と経験されているから、そういう判断になると思います。自分の見解は、監督目線ではなくて選手目線になりますけど、「パッと入ってすぐに結果を出す選手」ってよっぽど(スーパースター)だと思います。

――途中交代から日本代表のキャップ数を重ねて、結果を残して先発に食い込んでいく方が久保さんはやりやすかったですか。また、本来のポジションと違う使われ方だとしても、試合には出たいものなのでしょうか。

久保:自分は精神的にも身体的にも、徐々に慣れていく力しかなかったですね(笑)。でも、(大久保)嘉人(元サッカー日本代表)が日本代表に入ってきた時には、「コイツにはポジションとられるかも」と思いました。そんな嘉人だって、結果(日本代表初ゴールは21試合目)を出すのには時間がかかった。(Jリーグ歴代最多得点記録を持つ)嘉人くらいの選手でも、です。
 ポジションに関しては、自分は「出る」が最優先でした。誰でもそうじゃないですか? そこから、自分が本来狙っているスタートポジションをとりにいく。出て、良いプレーを見せることでつかめる。古橋(亨梧:セルティック)も、(アジア予選で)いくつか(決定機)ありましたけど、シュートに力が乗っていない。仕方ないです。それが「W杯アジア予選に初めて立つ」ということだと思っています。
 真剣勝負の試合は、相手の足が出てくる一歩の長さも違うんですよ。本当に。アジア人でもバネが違うし、そこに各国で雰囲気の違いも出てくる。

――それは、親善試合だとけがしたくないからで「抜く」部分もあるけど、真剣勝負の場ではリスク覚悟で足を出してくるからでしょうか。

久保:だと思いますね。この試合で終わっても良いっていう選手が集まって、国を背負ってピッチに立つわけですから。自分もその気持ちだったし。

文:石井紘人(いしい・はやと)
   ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。著書に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)など。『TokyoNHK2020』サイトでも一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「将棋をスポーツ化した競技『ボッチャ』」などを寄稿。
   株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作したDVD『審判』、日本サッカー名シーン&ゴール集『Jリーグメモリーズ&アーカイブス』の版元。現在『審判第二弾』を制作中でもある。

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