交通事故の保険金詐欺を許さない AIが不正を見抜く時代に

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「隠れ人身事故」が潜む

   『交通事故は本当に減っているのか?』(花伝社)によると、交通事故に関して、警察の全国統計と、損保料率機構が毎年公表している自賠責保険の支払い件数には大きなズレがある。自賠責で支払われている件数の方が、警察統計よりもはるかに多い。「隠れ人身事故」が多数あるというのだ。

   同書によれば、損保料率機構は、「人身事故として警察に届出がなされなかったものであっても、実際に負傷が確認された場合には支払うことが必要であり、近年、このような支払いが増加している」ことを認めている。

   このことは、自賠責保険に関する公的な会議、「自動車損害賠償責任保険審議会」でしばしば問題になっている。

   同書によると、審議会で特にこの問題を熱心に繰り返し取り上げているのは、日本医師会の委員だ。というのも、「むち打ち」などの場合、柔道整復師による「医療類似行為」の証明でも自賠責から保険金が下りているからだ。その額は年間600億円を超えているのだという。本来は医師が受け持つ「医療行為」が、医師ではない人によって行われ、その行為に関して保険金が下りていることは、医師会として看過できないというわけだ。

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