首相が「前倒し」
オミクロン株の世界的な急拡大を受けて、岸田文雄首相は17日、これまでよりも踏み込んだ「包括強化策」を発表した。
時事通信によると、予防と検査、早期治療の3本柱。3回目のワクチン接種は2回目から8か月以上だった間隔を、医療従事者や高齢者施設の入所者らは6か月に、来年2月以降に予定されていた一般の高齢者は7か月に前倒しする。
対象者は計3145万人。飲み薬の医療機関への提供や、ワクチン未接種の人が全都道府県で予約なしに受けられる無料検査を今月中に始める方針も示した。
首相は官邸で記者団に、オミクロン株の感染拡大への懸念があるとして「ワクチンの効果が比較的早く低下し、重症化リスクが高い高齢者を優先して前倒しを集中させると判断した」と説明。供給量の制約から、全ての対象者の間隔を一律に短縮できないことに理解を求めた。
NHKによると、後藤茂之厚生労働相は28日、閣議の後の記者会見で「一般の高齢者は、施設入所者などに一定の完了が見込まれた段階で、来年2月を待たずに、前倒しで接種を行って差し支えない」と述べ、医療従事者や高齢者施設の入所者などの接種が終わる見込みが立った自治体では、一般の高齢者のさらなる前倒しも認める方針を示した。