岸田首相も「抗議しろ」
「運用」を協議する日米合同委員会では「密約」が成立しているそうだ。たとえば、「身柄引き渡し」に関する「密約」。「米軍人・軍属による犯罪が、公務執行中かどうか疑問なときは、被疑者の身柄を当該憲兵司令官に引き渡す」というもの。「米兵犯罪」の特別扱いについては、しばしば問題になる。
吉田さんは「日米合同委員会の研究を通じて見えてくるのは、この国が真の主権国家、独立国家とはいえないという、悲しい現実です」と指摘する。
今では、当たり前となっている地位協定だが、1950年代末の日米協議では、日本側から多数の「改定」の声が上がっていたことが近年情報開示された外交文書で明らかになっている。全国知事会も2018年8月、日米地位協定の抜本的な見直しを日米両政府に提言しているそうだ。
コロナと米軍基地、地位協定の問題点についてはすでに20年7月20日、東京新聞が社説で「米軍基地の感染 政府はもっと危機感を」と厳しく指摘していた。
今回の米軍基地でのずさんな実態について、TBSは「岸田総理も怒り露わ 水際対策が及ばない...米軍のずさんなコロナ対応と特殊事情」というニュースを報じている。
米国出国時のPCR検査が9月以降、実施されてこなかったことを知った岸田文雄首相は「厳しく抗議しろ」と珍しく怒りを露わにしたという。