本土からは想像もできない状況
ジャーナリストの青沼陽一郎さんは25日、東洋経済ONLINEで、沖縄の米軍基地や米軍関係者の実態をリアルに報告している。
「基地からは、マスクもせずにアメリカ兵が市中に出て、普通に買い物をして、酒をあおっている。日本のように感染対策が行き届いていない」
米軍関係者が出入りする飲食店は、日本人の経営ではないそうだ。フィリピンやブラジル、メキシコ、ボリビアなどの南米から来て帰化したり、軍属が日本人の妻の名義で経営したりしているところが多く、感染症対策がずさんだという。以下のような地元の人の声を伝える。
「中尉だとか大尉だとか、階級のある人は基地にいない。基地外で庭のある1~2階建ての住宅に奥さんや家族と住んでいる。そこからキャンプ・ハンセンに車で通勤する。そこでマスクもしないで仕事をして家に帰る。庭があるから仲間を呼んでパーティーもする。休みの土曜日、日曜日には散歩もする。その家族が買い物にも出る。それがマスクをしていない」
「基地から出てくる兵隊も、基地外の住宅に暮らす家族も、マスクをしないで飲食店で持ち帰りの食品を買ったり、スーパーマーケットで買い物をしたりする」
「いったいどこの住宅に誰が住んでいるのか、自治体が把握していない。自治体が報告してくださいと求めても、しない。住民票もない。地位協定があるからだ。だから、事件があっても解決しないし、わからないことだってある」
そして、こうした感染症対策にこそ、「地位協定」の見直しの議論があるべきだという地元の声を紹介し、「いずれにしても、本土からは想像もできない状況にある。日本の感染対策は無視されている」と沖縄の現実を報告する。