2021年のヒット商品や特徴的なトレンドをまとめたランキングが、各種メディアで次々と公表されている。国内では「TikTok」から「大谷翔平」、さらには「SDGs」まで多彩な項目が並んでいる。目をアジアに広げると、思いもかけないようなブームも起きており、驚きが広がる。
「マリトッツォ」は6位
「日経トレンディ2021年12月号」は、「2021年ヒット商品ベスト30」を掲載している。
1位は「TikTok売れ」。短尺動画サイトが利用者1000万を突破し、最強の動画コマースサービスに進化した。2位は「ウマ娘 プリティーダービー」。競馬をテーマにした美少女系ゲームだ。3位は、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。4位には、「昭和・平成レトロブーム」、5位「ahamo/povo/LINEMO」、6位に「マリトッツォ」が入っている。以下、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」、「BTS」、「ピッコマ」、「Visaのタッチ決済」と続く。
ゼネラルリサーチ(本社:東京都渋谷区)は、全国20代~60代男女を対象に、「2021年下半期ヒット・トレンドを調査、11月30日に公表している。こちらは、野球のベストナイン方式で、部門別に「正選手プラスDH」という形で10件が選ばれている。
「趣味・遊び:昭和・平成レトロ」「資産形成:ポイント投資」「働き方:リモートワーク」「美容機器:美容シャワーヘッド」「家電:ワイヤレスイヤホン」「おもちゃ:ゲームアプリ・ソフト」「おうち時間:ネット動画の視聴」「食品:マリトッツォ」「アプリ:動画配信アプリ」「スポーツ:大谷翔平」となっている。
食品部門は「生ジョッキ缶」
ビジネストレンドマガジン「DIME」も年末恒例企画「2021 小学館DIMEトレンド大賞」を発表している。その年を象徴するヒット商品や話題を集めたサービス、人物や団体を表彰する同賞は、34回目。今年の大賞は「SDGs」。
このほか、「IT・ビジネス部門賞」は「NFT」。ブロックチェーン技術を使って実現した、新しいデジタル資産、端的にいえば「デジタル権利証」だ。「日用品部門賞」は、ドウシシャの「スマートフライパン sutto」。四角いフライパンだ。
「食品部門賞」は、アサヒビールの「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」。人気の秘密は缶ビールにもかかわらず、まるでジョッキに注がれた樽生ビールのように、泡がたっぷりと立つことで品切れ続出の人気になった。
ほかにも各部門の受賞作が12月16日発売の雑誌「DIME」で詳しく紹介されている。
中国では「国産ブランド」
これらの日本国内の受賞テーマや商品などは、すでによく知られているものが多い。では外国では何が人気だったのか。日経新聞は2021年12月22日、「アジア これがヒット」という特集を掲載している。
それによると、中国の1位は「国産ブランド」。ワインや化粧品でも国産人気が高まり、乗用車も国産のシェアが50%に迫っている。2位は「紅色旅行」。7月に中国共産党の創設100周年だったことで、その「聖地巡り」がブームになったのだという。3位は「ユニバーサルスタジオ北京」の開業。
一方、台湾では1位は東京五輪のバドミントンで、「宿敵」中国を破った感動の関連グッズ。金メダル獲得の瞬間をプリントした交通カードなどが売れたという。2位は台湾一周自転車旅行。3位には再び中国関連で、清が台湾を支配した当時の暗い過去を取り上げた歴史ドラマ。台湾人のアイデンティティーに突き刺さったという。中国のベストスリーに台湾関係は出てこないが、台湾は3つのうち2つ。今日の両国関係を象徴するような「21年のトレンド」だ。
韓国の1位はドラマ「イカゲーム」。ネットフリックスで9月から配信され歴代最多ヒットに。韓国エンタメの強さを改めて見せつけた。2位は、小型SUV「キャスパー」。現代自動車が9月に販売して爆発的に売れている。3位は、「李健煕コレクション」。サムスン電子元会長が収集した美術品が一般公開され見物客が詰め掛けたそうだ。