東京・下北沢にあるライブハウス「下北沢GARAGE(ガレージ)」が、2021年12月31日で閉店する。
下北沢ガレージの公式ツイッターから19日付で発信された「御報告」で、明らかになった。多くの人が惜別の思いを寄せている。突然の閉店理由についてJ-CASTトレンドは、オーナーのワタナベシンジさんに取材した。
「やむにやまれず閉店」
下北沢には、小劇場やライブハウスなどが多く、ここから誕生したスターもたくさんいる。下北沢ガレージも例外ではない。ツイッター上では、ロックバンド・ヒトリエの「ゆーまお」さんが、
「この場所の色んな思いがありすぎて、とにかく寂しい。今の俺を作ってくれた場所、下北沢GARAGE」
とツイート。2003年に解散したシンバルズの沖井礼二さんは「残念だ。シンバルズの初ライヴはここだった。レパートリーはまだ4曲しか無いのに3曲目でベース弦が切れた。思い出深いステージだった」と振り返った。
音楽ディレクター・プロデューサーの加茂啓太郎さんも「ベボベ(Base Ball Bear)の初ライブは今でも懐かしい思い出。お疲れ様でした」と投稿するなど、多くの音楽関係者が別れを惜しんでいる。
下北沢ガレージは、1994年にオープン。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、イベントの中止や延期などが相次いだ。20年5月までに、「SAVE THE 下北沢ガレージ」と題して、コロナ被害支援を募るクラウドファンディングを実施していた。
取材に応じたワタナベさん。電話ではいろいろ話してくれたが、多くは明かせないという。そのうえで、「コロナの影響で、やむにやまれず閉店いたします」と、くやしそうだった。一方でファンに向けては、「31日までは、ご来店ください」と呼びかけた。
なおツイートでは、こうつづっている。
「突然の報告となり大変申し訳ありません。およそ28年間、本当にありがとうございました」
ライブハウスに足を運ぶ
J-CASTトレンド記者は、ワタナベさんの電話取材後に「下北沢GARAGE」に足を運んだ。下北沢駅前の賑わいを抜け、歩いて7分ほど。ライブハウスは、静かな一角にある建物の地下だった。大きな目印はないが、「GARAGE」とだけ記された、しゃれた店名が目についた。前の道は、たまに通行人がいる程度だ。
地下に続く階段の手前・目線の高さには、近隣住民への配慮をお願いする貼り紙があった。階段を下りた先にある入り口にも、実施している感染対策と対策への協力を書いた紙が貼ってあった。