携帯電話の大手通信会社は、各社が提供するキャリアメールの「持ち運び」サービスを2021年12月中に提供開始する。他社の料金プランに乗り換えた後も、通信会社による「@docomo.ne.jp」といった文字列のメールアドレスを有料で使い続けられるようになる。
「ahamo」「povo」「LINEMO」といった格安料金プランに移行する場合でも、「持ち運び」サービスを利用可能だ。まずNTTドコモが「ドコモメール持ち運び」を、12月16日に開始する。
いずれも年内に実施
発表によると、ドコモ回線解約後も同社提供のメールアドレスを継続して利用でき、「クラウド」(ドコモ側のサーバー)で保管されているメールデータもそのまま残せる。
利用料金は1アドレスあたり月額330円(税込、以下同)。ドコモショップ店頭や、オンラインで申し込みを受け付ける。ただ利用にはMNP(携帯電話番号ポータビリティ)または回線解約後31日以内であることなど、複数の条件がある。なおドコモブランドのプランから「ahamo」に変更する場合は、「ドコモメール持ち運び」はプラン変更前に申し込む必要があるという。
KDDIでも12月20日から「auメール持ち運び」を提供すると、15日に発表している。auのプランの解約後、31日以内に申し込めば、povoや他社に移行後も「@au.com」「@ezweb.ne.jp」のメールアドレスを継続して利用できる。申し込みはオンラインから。ahamoと同様、料金は1アドレス当たり月額330円だ。
ソフトバンク広報に取材した。ソフトバンクと「ワイモバイル」のプランでも、解約後もキャリアメールを継続利用できるサービスを12月中に開始する。他社のプランや、LINEMOに乗り換える場合でも利用できる。料金など、詳細は今後発表する。
キャリアメールまだ使いますか
21年12月15日現在、キャリアメールと持ち運びサービスへのツイッターユーザーの反応はまちまちだ。キャリアメールがなくとも「何も不自由はない」との声もあれば、必要になることもあるため、持ち運びサービスは「助かる」という人も。
それでもどちらかと言えば、キャリアメールをもはや不要とみるユーザーの方が多い印象だ。
本来、ahamo、povo、LINEMOでキャリアメールは提供されていない。またドコモ、KDDI、ソフトバンクの各社広報に取材したが、ahamo、povo、LINEMOで新たにキャリアメールサービスを開始するわけではない。
ただ、キャリアメールアドレスを失いたくないという理由で格安料金プランへの乗り換えを控えていたユーザーにとっては、うれしいサービスだろう。