「ぼったくり男爵」流行語大賞の上位に
五輪は近年、アマチュアアスリートの祭典からコマーシャリズム容認に変質。テレビ局や広告代理店、大手スポンサーのカネに牛耳られている。バッハ会長自身は貴族ではないが、カネまみれのIOCの代表者として「ぼったくり男爵」とされた。
今夏の東京五輪は、コロナ禍が広がる中で、多大な犠牲を払って開催された。かなりの問題点があっても五輪は開催するというのがIOCの基本姿勢と受け止められた。北京五輪についてもIOCは同じスタンスのようだ。
東京五輪の余波は、日本でまだ続いている。「ぼったくり男爵」が「現代用語の基礎知識選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10に入ったのだ。その理由は以下のように説明されている。
「2021年5月、第4波が到来、東京オリンピック・パラリンピック開幕まであと2カ月半となるこの時期、国民の不安は高まっていた。
〝コロナに打ち勝っていないのになぜ開催するのか〟の疑問に対し『国民の命と健康を守っていく』の一点張りでスルーし、政治家の先生方はひたすら国際オリンピック委員会(IOC)のご機嫌を損ねぬよう立ち居振る舞ってみせた。トーマス・バッハ会長らは日本の感染状況に配慮をみせることなく開催に突き進み、日本が主権さえ手放したように見えるこの状況をアメリカのワシントンポスト電子版は『IOCは商業主義で日本を踏み台にしている』と指摘した。この記事で使われた『Baron Von Ripper-off』にあてられた和訳が『ぼったくり男爵』。一度聞いたらそうとしか見えないピッタリさで瞬く間に拡がった。
選手には観光を禁止する一方で帰国前には銀ブラに出かけ、ぼったくり男爵像にさらなる磨きをかけた。元祖オリンピック男爵クーベルタンがこれをみたらなんというのだろうか」