「略奪文化財」欧州で返還の動き 仏、独、オランダ・・・日本にも波及?

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日本にも未返還品が残る

   日本にも、中国や朝鮮半島由来の文化財がある。『文化財返還問題を考える――負の遺産を清算するために』(岩波ブックレット)によると、日本は戦後、韓国から約3200点の返還を要求された。戻したのは約1400点。東京国立博物館などにまだ多数が収蔵されたままだ。

   中国関係の文化財も多い。皇居内にある「鴻臚井(こうろせい)の碑」もその一つ。高さ1.8メートル、重さ90トンの巨石碑だ。713年に唐が渤海王を冊封した事績が記されている。かつては中国遼寧省の旅順にあったが、日露戦争で旅順を租借地とした日本軍が1908年、この石碑を搬出して天皇に献上したため、皇居内にある。2015年に中国の民間団体が宮内庁に返還を求める訴えを中国で起こしたことがある。

   日経新聞(10月10日)は、日本に残る中国や朝鮮半島関連の文化財を念頭に、「列強としてアジアを戦火に巻き込んだ過去があり、今は民主主義陣営の柱となった日本も、この流れが国際的に広がれば無視できなくなるかもしれない」という記事を掲載。西欧諸国の文化財返還の動きと、日本との関連に注意を促している。

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