西欧諸国が植民地などから入手した文化財を、元の国に返還する動きが強まっている。2021年、オランダは返還を公表し、独では返還を容易にする法案を可決した。仏は実際に返還を始めている。
収蔵品の半数が植民地から
大英博物館のロゼッタ・ストーン、ベルリン新博物館にある古代エジプト王妃・ネフェルティティの胸像・・・これらは「略奪文化財」と呼ばれることがある。西欧諸国の博物館には、旧植民地などから持ち帰った文化財が大量に保管されている。
オランダ国立世界文化圏博物館には43万6000点の収蔵品を持つ。そのうち、約半数が旧植民地由来だという。特に多いのは旧植民地のインドネシアに関連する収蔵品で17万4000点もあるそうだ。
『美術手帖』(2021年2月6日)によると、オランダ政府は今年に入り、植民地支配下や戦争で占領された国家から、略奪や盗掘などによって不当に持ち出された文化財について、本来あるべき国へと返還することを公表した。