携帯電話「G'zOne」シリーズは2000年に登場し、20年以上にわたって親しまれてきた機種だ。スマートフォンが主流となっている中、KDDIは携帯電話「G'zOne TYPE-XX」を2021年12月10日に発売した。従来のガラパゴスケータイ(ガラケー)タイプとして、9年ぶりの新機種だ。
KDDIは一部の「G'zOne」旧型機種を使い続けている人に、「G'zOne TYPE-XX」全額分を値引き、「ゼロ円端末」にする大盤振る舞いを実施している。
5万2800円がゼロに
「G'zOne」は耐水性や耐衝撃性に特化したシリーズ。カシオ計算機やその関連会社が開発し、「au」が販売してきた。「TYPE-XX」もauが取り扱うが、製造は京セラが担っている。デザインは、歴代の「G'zOne」機種を手がけてきたカシオのデザイナーが手がけた。
折りたたみ式のガラケーだが、従来型の3G(第3世代移動通信システム)通信よりも早い4GやLTEに対応している。
auでは、「3Gとりかえ割(ケータイ)」という割引サービスを実施している。auの3Gプラン(CDMA 1X WIN)を利用している人が、4G・LTE対応の対象機種に機種変更すると、機種代金の割引を受けられる。5万2800円(税込・以下同)の「G'zOne TYPE-XX」も対象機種で、3Gプラン利用者が機種変更する時には通常2万2000円の割引となる。
一方、2006〜10年に発売された「G'zOne」シリーズの旧機種「W42CA」「W62CA」「CA002」「CAY01」からの機種変更の場合は、5万2800円全額が引かれる。端末代がタダになるのだ。
3G用端末が使えなくなる
KDDI広報に取材した。2012年にカシオが携帯電話事業から撤退したほか、KDDIが携帯電話向けの3Gプランを2022年3月に終了すると発表したことで、「いよいよ(3G用の)G'zOneが使えなくなる」と悲しむ声が続出したという。
「G'zOne TYPE-XX」を開発したのは、こうしたファンの声に応えたもの。長年「G'zOne」シリーズを愛用しているユーザーに、「これからも末長く使っていただきたい」と、大盤振る舞いになった。