ポケットモンスターのゲームシリーズ最新作「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール」(BDSP)。過去のポケモン作品をリメイクしたゲームだ。2021年11月19日に発売されたが、ゲーム内で様々な「バグ」が見つかり、インターネット上で指摘された。
ゲームソフトは、発売後にアップデート版がリリースされる場合がある。「BDSP」でも、複数の不具合を修正した更新データ「Ver. 1.1.2」が12月2日に配信された。ところが12月9日現在、修正前のバージョンでBDSPを遊べるスイッチ本体が、フリマアプリ「メルカリ」に出回っている。
「Ver 1.1.1」でのみ起きる
BDSPでは、11月19日の発売日前から、「更新データ」が前もって出ていた。初期バージョンには含まれていないコンテンツを追加するためだ。11月11日には「Ver. 1.1.0」が、11月18日には「Ver. 1.1.1」が配布された。
この2つのバージョンについてツイッターやユーチューブでは、ゲームが進行できなくなる不具合のほか、不正な方法でゲーム中のアイテムなどを増殖できるといったバグが報告されている。
また「RTA」というゲームクリアまでの所要時間を競う遊び方をするプレーヤーの間では、「メニューバグ」と呼ばれるバグを利用し、ゲーム中のイベント戦闘をスキップすることで記録をねらう人も。わずか15分40秒までエンディングまで到達する様子をユーチューブに投稿しているユーザーがいた。
バージョンごとにどのようなバグが起きるのかは判然としないが、ネット掲示板の書き込みやポケモンファン向けサイトによると、「メニューバグ」はBDSP購入直後のままの初期バージョンでは発生せず、「Ver. 1.1.1」でのみ起きるのだという。
またポケモン公式サイトでは、「Ver. 1.1.2」には「不具合の修正」やゲームを快適に遊ぶための内容が含まれていると説明。「必ずダウンロードしていただきますよう、お願い申し上げます」と呼びかけている。ゲームメディア「AUTOMATION」12月2日付記事によると、「Ver 1.1.2」では「メニューバグ」の修正もネットユーザーの間で確認されているという。
あえて更新せずバグを楽しむ
更新データはオンラインで配信されるため、スイッチをネットに接続しなければ、基本的にアップデートされることはない。古いバージョンで遊び続けられるのだ。ツイッター上ではあえてスイッチをネットにつながず、「Ver. 1.1.1」でバグを使ったプレーを楽しんでいるという人がみられる。
そうしたプレーヤー向けなのか、「Ver. 1.1.1」でBDSPをプレーできるスイッチ本体や「ニンテンドースイッチライト」の中古品が、「メルカリ」で20件近く売り出されているのだ。初期バージョンの「BDSP」のソフトも単体で出品されてはいるが、先に説明したとおり「メニューバグ」はない。バグを楽しみたければ、こうしたハード機を含めて買うしかない。
出品の説明を見ていくと、内容物はスイッチか「スイッチライト」本体のみで、BDSPのゲームソフトは付属しないものが多い。ただ、これらスイッチの本体にはBDSPとは別に、「Ver. 1.1.1」の更新データが搭載されているという。BDSPのゲームカード(ゲームソフトのカートリッジ)を購入して別途用意し、これらのスイッチで使用すれば、「Ver. 1.1.1」のBDSPをプレーできるとのことだ。
すでに売り切れているものも多い。価格帯は通常のスイッチだと3万〜3万5000円程度、「スイッチライト」は2万6000円~3万3000円程度だ。