米アマゾンのクラウドサービス「AWS」(アマゾン・ウェブ・サービス)で、ネットワーク障害が起きた。2021年12月8日(日本時間)に公式サイト上で公表した。日本でもAWSを利用している企業は少なくない。そのひとつ、任天堂が提供する複数のサービスで不具合が起きた。
ゲーム機向けのオンラインストア「ニンテンドーeショップ」や、「Nintendo Switch」(スイッチ)のネットワークサービスが、正常に稼働しなくなったのだ。12月8日に任天堂が公式ツイッターで説明している。オンライン対戦などを楽しめなくなったゲームファンからは、悲鳴が上がった。
13時間以上にわたり不具合
AWSは、インターネットを通じてサーバーの提供やデータの処理といったサービスを企業に提供している。AWSの状態報告ページによると、12月8日2時37分時点でAWSのソフトウエアにエラーを確認。9時35分時点ではネットワーク装置に起きていた問題を解決したが、引き続き障害のあるサービスの復旧に取り組むとしていた。
任天堂の場合、障害の影響はECサイト「マイニンテンドーストア」にも発生。同サイトによると、一時は「デジタル商品の購入および引換」や、一部のゲームコントローラーを購入できなくなっていた。
任天堂のウェブサイトのネットワーク情報ページによると、「ニンテンドーeショップ」でのエラーは8日10時15分ごろから11時58分ごろまで、「ネットワークサービス全般」のエラーは0時35分から13時46分ごろまで起きていた。また、「Nintendo Switch Online」でも一部サービスの不具合が0時41分ごろから14時12分ごろまで続いた。復旧まで半日以上かかった。
「Nintendo Switch Online」を利用すると、スイッチのソフトでオンラインプレーを楽しめる。不具合のためか、ゲーム「スプラトゥーン2」や「あつまれ どうぶつの森」などでオンライン接続ができないといった報告が、8日未明からツイッター上に相次いだ。ネットに接続しようとすると、「サーバーとの通信中にエラーが発生しました」とのメッセージが表示される、といったものだ。
スマホゲームにも影響
ほかにも、AWSの障害がゲームに影響を及ぼした事例があった。スマートフォン向けゲーム「FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER」は公式ツイッターで12月8日1時23分、ゲーム中に「マッチング(編注:プレーヤー同士を引き合わせること)ができない不具合」が発生していると発表。その後AWSに不具合の原因があるとし、ネットワーク障害対応と並行するため、8日11時から予定していたメンテナンス作業を8時に前倒しして実施している。
AWSと関係があるかは不明だが、ゲーム「Dead by Daylight」も「サーバー障害によりマッチングができない問題」を確認したと、8日1時47分にツイッターで発表した。同作はスイッチやプレイステーション5、パソコンなど複数ハードにわたって展開されている。本記事公開時点でツイッターでは、「サービスが復旧され次第お知らせします」となったままだ。