カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。先週のジャパンカップは、コントレイルが見事に引退レースを勝利、3連単◎〇▲できっちり当てたじぇい。ガジュマル爺も〇◎△で三連複当てたきゃすう。暮れの有馬記念までこの調子でいくじぇい。今週は「秋のダート王」を決めるチャンピオンズカップ(2021年12月5日、中京競馬場、ダート1800メートル)。なんといっても、アイドルホースのソダシが初ダート挑戦というのが焦点きゃすう。父が芝とダートのGI勝利という元祖二刀流のクロフネ、母ブチコもダートで活躍した血統だじぇい。でもいきなりGIでは荷が重いとの心配する声もたくさんあるきゃすう。穴狙いのカスヨ姉さんは案の定、ソダシをはずして本命◎がチュウワウィザードだじぇい。去年の優勝馬きゃすう。でもこのレース、ジャパンカップダート時代(2000~2013年)を含め、2回勝った馬は複数いるけど、連覇をした馬は10年前のダートの怪物トランセンドだけだじぇい。そんなに強いきゃすう?
ソダシには酷なレース?
カスヨ たしかにソダシは芝のGIで2勝していて強いのは分かっているわよ。でもね、初めてのダートでいきなりGIというのはいくらなんでもムリがあると思わない?しかもね、このレースでは前走芝のレースを使った馬は馬券に絡んでいないのよ。そのうえに、牝馬はサンビスタが2015年に勝ったことがあるんだけど、それ以外は馬券にすら絡んでいないことから相性が悪いのよね。ソダシの斤量(負担重量)が54キロと他の馬より軽いとはいってもね、ほとんど500キロ以上の重戦車なみの馬たちが競うレースなんだから3歳の牝馬には過酷なレースになるのは間違いないのよ。私だったら怖くてとてもじゃないけど出られないわ。だからここは実力者の牡馬で勝負すべきなのよ。それがチュウワウィザードというわけ。この馬はともかく安定してるのよ。3歳時から成績抜群で、掲示板を外したのは初海外レースとなった今年のサウジカップとその帰国後の帝王賞の2回のみ。前走JBCクラシックも休み明けながら3着と国内GI級3勝という実績どおりの走りをして実力を示しているわ。今回は休み明けを一度使われて状態面も上向きだから、去年走ったように走れば、連覇はひとりでに転がり込んでくるわね。
カス丸 ふーん、相当な自信きゃすう。ガジュマル爺も本命◎はソダシ外しのテーオーケインズだじぇい。今年6月の交流GI(中央と地方の交流レース)・帝王賞(大井競馬場、2000メートル)を勝った馬きゃすう。4歳馬で勢いがある馬だじぇい。
ガジュマル爺 カス丸のいうとおりじゃ。テーオーケインズには若さと勢いがあるんじゃ。デビュー戦から14戦がすべてダートで、7勝2着2回3着2回。馬券圏内(3着以内)を外したレースはわずか3回と堅実さが強みじゃな。昨年は人気を背負いながらの惜敗続きで今ひとつ伸び悩んでいたんじゃが、今年になって覚醒したんじゃ。名古屋城ステークス(オープン、中京1800メートル)、GIII・アンタレスステークス(阪神、1800メートル)、帝王賞と3連勝を飾りGI馬の仲間入りを果たしたわけじゃ。前走のJBCクラシック(GI、金沢2100メートル)は1番人気ながら4着に敗退。さすがにGI連勝のハードルは楽ではなかったが、これがいいガス抜きになったはずじゃ。中京コースは1勝3着1回と相性がいい。中団から差すレース運びが多いんじゃが、先行できる脚ももっておるから自在性も魅力じゃな。鞍上の松山弘平騎手の手腕で中央GI初勝利もユメではないじゃろ。
カス丸 なるほど、強そうだじぇい。さてと、カスヨさんの対抗〇はこれも4歳馬のサンライズホープきゃすう。こちらも今、ノッテル一頭きゃすう。
カスヨ そのとおりよ。前走のGIIIシリウスステークス(中京1900メートル)を3番手先行から直線抜け出して、追い込むウェスタールンドをアタマ差おさえて重賞初制覇したばかりよ。今回のコースで勝ったことが強みになるわね。中京ダート1800メートルは、正面スタンド前の坂の途中からスタートするのね。だからスタート直後はそんなにペースは速くならないわ。第1コーナーまで1ハロン(200メートル)以上あるので、この間に隊列が決まりカーブに入るんだけど、第2コーナー辺りから向こう正面にかけて上り坂になるから、前半はあまり速くならないと思うわ。後半は下り坂になって第3、第4コーナーを回ったところで上り坂よ。それまで下った分を一気にのぼって最後の410メートルの直線を走ってゴールという感じね。結構起伏があるから、スタミナが求められるコースだわね。だからチャンピオンズカップの前に同じ中京コースで先行して勝利した実績はプラスに働くわよ。今回は初のGI挑戦なんだけど、前走勝利の勢いそのままに勝ち切る可能性十分よ。
カス丸 ふーん、予行演習でバッチシというわけきゃすう。爺の対抗〇は「春のダート王」カフェファラオだじぇい。春秋と連覇するきゃすう?
ガジュマル爺 カフェファラオも4歳馬じゃ。デビュー以来9戦5勝じゃ。去年は、いまカスヨが話したシリウスステークスを勝って、2番人気に推されてこのレースに臨んだんじゃ。しかし、チュウワウィザードの6着に沈んでしもうた。予行演習で完璧でも本番は簡単じゃないということじゃな。サンライズホープが楽勝というわけにはいかんのじゃ。カフェのほうは、レース後、汚名をすぐに返上したんじゃ。年が明け今年2月のダートGI、フェブラリーステークス(東京1600メートル)を制して「春のダート王」となったんじゃ。この馬は、ゆったりとしたローテーションが合っているようで、前走の函館記念(GIII、函館、芝2000メートル。9着)は、あきらかにレース間隔を置くためのたたき台じゃったろう。500キロを超える馬体はダート馬らしく、パワーを秘めている半面、勝ち負けがハッキリしているタイプなんじゃ。地方競馬の小回りコースが苦手なようだし、5勝のうち4勝が左回りじゃから中京コースでも勝ち星があるんじゃ。今回は調教もよく、体調は良さそうじゃ。クリストフ・ルメール騎手の手綱に期待というところじゃな。
カス丸 カフェファラオも無視できない一頭きゃすう。さて、肝心のソダシだけど、爺が単穴▲にしてるじぇい。
ガジュマル爺 ソダシの懸念材料は初めてのダートがどうか、という点なんじゃ。父クロフネは3歳時のNHKマイルカップ(東京芝1600メートル)とジャパンカップダート(東京ダート2100メートル。現チャンピオンズカップ)のGIを制した「二刀流」じゃ。ソダシもGI2勝じゃから、力は持っておるはずなんじゃ。去年の阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神芝1600メートル)、今年の桜花賞(GI、阪神芝1600メートル)を制し、今年夏に古馬と対戦した札幌記念(GII、札幌芝2000メートル)ではラブズオンリーユーなどのGI馬を破っての勝利もあるから、その底力は一級品のはずじゃ。オークス(2400メートル)で負けたのは、距離が2000メートルを超えるとムリが出るということじゃろうが、今回は1800メートルじゃから、大丈夫じゃろ。ただ、前走の秋華賞(2000メートル)で見せた気難しさがあるんじゃな。これは母ブチコと似ている点があるし、そこも気がかりなんじゃが、そのあたりは陣営がきちんと対処するじゃろうから、本来のレースをしてくれれば行けるはずじゃ。
カス丸 ふーん、でもソダシには頑張ってほしいじぇい。ダート界はいま戦国状態といってもおかしくないきゃすう。予想は難しいけど、チャンスは他の馬にもあるじぇい。一発狙ってるのは、どんな馬きゃすう?