うどんを中心とした和食料理店「NADABAN by HAL YAMASHITA」(東京都千代田区)に、新たな感染防止用パーテーションが登場した。
マッチングアプリ「Pairs(ペアーズ)」と、音響や感染症の専門家が開発した「声が届きやすい 距離が縮まるパーテーション」が2021年12月1日に設置され、この日から希望店舗の募集も始めている。
「あいうえお」を通しやすい構造に
新型コロナウイルスが広がるなかでも、安心してデートを楽しめるようにと、開発されたパーテーション。日本音響研究所の鈴木創所長と、ビーテックインターナショナル顧問 感染症専任アドバイザーの榮留(えいどめ)富美子さんとともに、会話の声を通しながら、感染防止も両立できるよう研究を進めた。
鈴木さんによると、一般的なパーテーションは「あいうえお」の母音が位置する1000Hz(ヘルツ)以上の周波数帯を通しにくく、こもった声になってしまうという。そこで今回は、パーテーション側面に反射板を置き、幅3センチのスリットを設けることで、そこを通る声を届きやすくした。声の清潔感や透明感などを与える1万ヘルツ付近の音も、うまく聞こえるように工夫されているという。
榮留さんは、一番飛沫が飛びやすいのは「ぱぴぷぺぽ」とされ、それをキャッチできる構造が大切だと指摘する。パーテーションによっては下部にスリットがあり、料理をシェアしやすくしているものもあるが、感染防止の観点から、今回は閉じたものを採用したと振り返る。