何のために企画をやっているの?
テテマーチの「コンサルタント四天王」、井村桃子さん、ふくままさひろさん、タカミリホさん、石渡将利さんに半月分のアナリティクスデータを渡し、分析してもらった。さまざまなフィードバックを得たが、ここでは(1)(2)に関する情報に絞ってお届けする。
まず(1)。井村さんは「製麺機のある生活」について、「画像クリックしてしっかり見ている人が思ったよりもいます。シュール好きなフォロワーが多いのかも」と話す。「いいね」など、誰にでも見えるエンゲージメント(ツイートへのリアクション)はさほど多くないが、画像クリック数など投稿者にしか見えない値がインプレッション(ツイートの表示回数)を上げていると説明する。
始めて間もない企画だが、順調そうだ。記者が胸をなで下ろした瞬間、タカミさんがこんな質問を投げかけてきた。「この企画の『ゴール』って、なんでしょう」。
記者「そう言われると...企画を日々続けることに必死になって、どう終わるかなんて考えていなかったです」
井村さん「編集部記者の皆さんにツイッターに慣れてもらいつつ、アカウントの個性を強めていく取り組みでしたからね。次のステップとして、企画性を追加するのがよさそうです」
タカミさん「企画を楽しむには、ゴールが明確でないと、見る側もどうしたらいいかわからないですからね。『この企画で、どんな感情をフォロワーと共有したいのか』と考えて構想を組み立て、過程を追う面白さを提供していきましょう」
わかりやすい例としては「応援したくなる」ゴール設定だ。「◯◯できるようになるまで×日」と期限を明示したり、「◯◯ができたら△△します!」と約束したり、応援してくれるフォロワー限定で何かをプレゼントしたりする方法がある。アカウント名の末尾に「○○挑戦中」とつけたり、企画ツイートをアカウントのトップに固定したりと、「今、こんなことをしている」と知ってもらう努力も欠かせない。
さらに石渡さんは「リプライをもらう工夫」も大事だと言う。
「実際に話しかけようと思える要素を取り入れることで、一番大きな目標(世界一話しかけやすいメディアアカウントになる)に近づくのではと思います。アイスの企画なら、フォロワーにどんなアイスがおすすめか、と投げかけるのはどうでしょう」
企画をやりっぱなしにするのではなく、見る人を巻き込む仕掛けが必要なのだ。話題を提供し、反応してもらうことでコミュニケーションが生まれれば、フォロワーとの距離も縮まる。
そもそも、どんな企画をやるべきかわからなければ、リプライや投票、「質問箱」などのツールを介して、フォロワーからアイデアを募るのもよい。ふくまさん曰く、アカウントの動きを追いかけているユーザーには「応援するのが好きな人と、人がちょっとした苦労をしている姿を、いたずら心で見ている人がいそうです(笑)」 。あくまでも無理のない範囲で、「少し頑張ると、できそうなこと」に挑もう。