リスク高い人は「6か月後」から
日本の3回目が、先行する国々に数か月も遅れているのは、1回目の接種時期の差によるところが大きい。厚労省によると、イスラエル、英、米、仏、独などの初回接種は20年12月。日本よりもかなり早い。これらの国々は、いずれも3回目について「初回シリーズ接種完了後から6か月経過」を基準としていた。しかし、実際に始まったのは、おおむね「8か月以上」経過してからだ。したがって日本もこれらの先行国に倣って、リスクの高い人は「6か月後」から、そうでない人は「8か月後」から、にしていると見られる。
「6か月」が一つの基準になったのは、ファイザー社がワクチン接種後の有効性を公表しているからだ。接種後1か月までの「発症予防」効果は88%だったが、5か月後では47%にまで低下するという。しかし、「入院予防」効果(重症化予防効果)については半年後も維持されていた。
つまり、ワクチン接種後、半年たつと感染予防効果は半減するが、感染しても重症化するリスクは少ない。実際、ワクチンを2回打って感染した人(ブレークスルー感染者)に重症者が少ないことから、3回目については各国とも、リスクの高い人のみを前倒しにしている模様だ。
読売新聞によると、政府は、3回目の接種用として来年4~6月の約5200万回分のワクチンの配送計画も近く公表する。既に発表済みの3月末までと合わせ、計約9400万回分が用意される予定だ。
接種計画は、オミクロン株の動向によっては修正されることもありそうだ。なお松野博一官房長官は12月1日の会見で、「必要があれば、8カ月を待たずして接種を行う範囲について、さらに検討する」と述べた。