日本でもオミクロン株の感染者が見つかった。ナミビア国籍の外交官の男性だ。第三国経由で2021年11月28日に成田空港に到着した。政府は同じ便に乗っていた70人全員を濃厚接触者とし、自宅や宿泊施設などで原則14日間の待機を要請している。
インターネットでは、「強制隔離」ができないのだろうかという声も出ている。
14日間の待機を「要請」
男性は、到着時は無症状だったが、宿泊療養施設に移動後、発熱が確認された。現在は、医療機関に入院している。米モデルナ製ワクチンの2回目を7月に接種ずみだった。
朝日新聞によると、空港検疫で陽性者が出た場合、通常は、陽性者と同じ航空機の前後2列以内に座っていた人について、濃厚接触者にあたるかどうか保健所が判断する。厚生労働省は今回、警戒を強めるため、同乗者70人全員を濃厚接触者とした。自宅や宿泊施設などで原則14日間の待機を要請し、アプリによる健康状態や所在の確認などに応じない場合、名前を公表する。11月30日夕までに全員と連絡がとれた。1人は発熱後に陰性が確認され、そのほかの人は体調の変化は確認されなかったという。
毎日新聞によると、東京都は30日、濃厚接触者のうち、約40人が都内在住者であることを明らかにした。都はこの人たちについて宿泊療養施設に移り、隔離期間を過ごすよう要請しているという。
「抜け穴」が生じる恐れも
ヤフー知恵袋にはさっそく、「オミクロン株の濃厚接触者の方の性善説に任せて自粛要請で大丈夫でしょうか?強制隔離は何が問題になるのでしょうか?」という質問が出ている。
ベストアンサーとして、「濃厚接触者は感染者ではないので、現在の法律では、原則としては、強制的に隔離することはできません・・・まだ感染が確認されていない人の行動を
法律でどこまで制限できるのかというのは、難しい問題です」という趣旨の回答が掲載されている。このことはJ-CASTトレンドでも2021年5月7日付記事で、検疫法上は陽性者(新型コロナウイルス患者)でないと「隔離」はできないという専門家の説明を引用している。
アフリカなどからの入国者の強制隔離を始めた国もある。日本貿易振興機構(ジェトロ)のウェブサイトによると、アルゼンチン政府は、アフリカ南部でオミクロン株が検出されたことから、アフリカ大陸諸国と保健当局が指定する地域からの入国者に強制隔離措置を義務付けると発表している。
朝日新聞によると、オミクロン株が世界各地で確認されたことを受け、政府は11月29日までに10日間の施設待機が必要な国として南アフリカなど10か国を指定している。今回の男性は今回、ナミビアから第三国で乗り換えて日本に入ってきた。この場合に、「抜け穴」が生じる恐れがある、と同紙は指摘している。
なお12月1日16時50分現在、国内2例目のオミクロン株感染者が確認されたと複数のメディアが報じた。南米ペルーから日本に先月入国した外国人だという。