チャーハンを「パラパラ」になるよう仕上げたい。最良の方法をめぐって、インターネット上ではたびたび議論が起きる。論点になるのは、卵の調理法だ。
J-CASTトレンドは中華レストランに取材。それを基に、実際に試してみた。
中華レストランの意見は
中華料理といえば、火力だ。チャーハンのパラパラ具合を再現するのに、家庭用コンロではレストランと比べると火力が弱い。
それでも、家で手軽にパラパラチャーハンが食べたい。ネット上では、「卵はご飯と混ぜてから炒める」「卵を先に入れて、半熟状態でご飯入れて混ぜる」「ご飯を炒めてから、混ぜた卵を入れる」という声がある。
ご飯が先か、卵が先か――。レシピを検索しても、手順はバラバラだ。
本場中国ではどうなのか、編集部で中国人の同僚によると、中国の関連サイトでは「ご飯が先」との主張が多い。一方で、「卵とご飯をまぜてから」や「卵が先」を推している人もいるとのことだった。
山梨県の中華レストラン「さんぷく」に取材した。担当者は「個人的な見解ですが」と前置きし、
「弊社では『卵が先・ご飯が後』なので、個人的に家庭で作る際もそのようにしております。ただ火力不足や手際の良さも多少影響するかと思うので、不安な場合は『ご飯先・卵が後』でもいいかもしれません」
と話した。
やや固めにご飯を炊く
家庭でパラパラチャーハンを作る際コツを尋ねると、自宅で実践している調理法を紹介してくれた。
やや固めにご飯を炊き、粗熱をとってから冷蔵庫で一晩寝かせる。チャーハンを作る直前に、そのご飯をレンジで温める。600ワットなら1分ほどが良いと教えてくれた。
記者は、ネット上でさまざまなレシピを調べてみた。すると「フライパンはコンロから外さない」、つまり、フライパンを煽らないのがコツと紹介しているところが多いように感じた。
これらをヒントに、ご飯と卵をフライパンに投入する順番を変えた3種類のチャーハンを再現してみた。
前日の夜に、ご飯は水を少なめに炊いた。炊き上がりを食べてみたが、この時点でご飯にしっとり感が少なく、成功しそうな予感がした。
材料を準備。左から卵を先入れ、卵が最後、卵かけご飯方式だ。パラパラ具合だけを確かめるため、卵のタイミングだけを変え、調理方法と具材は全て統一した。
見た目も明らかに...
調理の手間に、差はあまりなかった。強いて言えば、卵かけご飯式はパラパラになるまでに少し時間がかかったように感じる。
混同を避けるため、器は最初に紹介した時の入れ方と同じものを使用している。並べてみると、見た目の違いは一目瞭然だ。
最初に卵を入れる調理法では、卵が具材としてはっきりと感じられた。パラパラ具合は、この中だと3番目。少しだけしっとり感を残しつつ、全体的にはパラっとした仕上がりだ。
卵かけご飯方式は、一番パラっとした仕上がりで完全に水分が飛んでいる。卵は完全にご飯よりも小さく、よく見ればあるといった程度だ。ご飯全体に卵の味がしっかり染み込んでいた。
卵を後から入れる調理法は、先入れ式と卵かけご飯方式のちょうど中間だった。パラパラ感は楽しめながらも、ご飯に少し水分が残っている。また、卵の甘味もほんのりと感じられる。
結果的にはどれもパラパラとしたチャーハンになった。ワンポイントアドバイスとコンロから離さなかったのが功を奏したのだろう。パラパラ感を一番大事にしたいなら卵かけご飯方式を、卵の風味を感じながらもパラパラ加減も捨てたくないという人は卵を先に入れる方法を、卵もご飯も同じくらいパラパラさせたいなら卵後入れを、記者は勧めたい。