東武ホテルレバント東京(東京都墨田区)は、「CHEF'S KITCHEN(シェフズキッチン)」という冷凍グルメを展開している。ホテルのレストランで提供しているフレンチの味を自宅でも楽しめるシリーズで、テイクアウトかオンラインで購入できる。
そんな冷凍グルメと、実際にレストランで提供している味を食べ比べできる初の試食会が2021年11月26日に実施された。J-CASTトレンド記者も参加し、体験してきた。
冷凍されたものとの違いは
シェフズキッチンは、ホテル内の「スカイツリービューレストラン 簾」の料理を、独自の調理法で柔らかさを保ちながら真空冷凍したシリーズで、2021年4月から販売されている。
試食会のテーブルには2枚のプレートが用意されていた。左の皿には解凍された「シェフズキッチン」(以下、冷凍版)が、右の皿に実際に提供しているのと同じように作られたメニューが置かれていく。いずれも分量は実物の4分の1だ。
「簾」料理長の柴谷邦彦シェフの解説を聞きながら、各皿を味わう。まずは「フォアグラとウナギのスモーク テリーヌ仕立て」。カモのフォアグラを低温調理でテリーヌにし、スモークにかけられたウナギで合わせている。
実際に提供されている品の方が、ほのかにピンク色が強いように見える。実食といこう。冷凍版を口にする。なめらかなテリーヌの食感と、うなぎの旨味。バルサミコ入りのソースの甘酸っぱさも相まって、口の中が楽しい。
続いてレストラン提供版にトライしたが、冷凍版との食感の違いはわからなかった。ただ、味わいには微妙な差異が。冷凍版だと、うなぎの風味がフォアグラ部分にもしみ出しているような印象だった。
次のメニューは「オマールエビとアワビのブイヤベース」。ブイヤベースにはホウボウ、アナゴ、カサゴを使っている。
シェフズキッチン版からいただくと、「アワビってこんなに柔らかいっけ?」という言葉が口から漏れた。ふっくらかつホロホロとした感触に仕上がっている。実際に提供しているものを食べると、やはり食感・味の違いはわからなかった。ブイヤベースは魚介の味わいが複雑に詰まっており、オマールエビとアワビのうま味を引き立てる。
「極限まで」柔らかい牛ほほ肉
そして「国産牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」。極限までほほ肉を柔らかく煮込んだという一品。赤ワインソースで光沢を帯びた肉の姿が食欲をそそる。
冷凍食品版の方にフォークの側面を当てると、そのまま2つに割れるほどの柔らかさだ。口の中で簡単にほどけていく肉の繊維と赤ワインソースの濃厚な風味。いかにも「おいしい料理」を食べているという満足感が大きい品だ。柴谷さんによると、このメニューには温野菜が合うため、家で食べるときにはいつもとは変わった野菜を用意するといいとのことだ。
「ブイヤベース」と「赤ワイン煮込み」では、冷凍版とレストラン提供版とで具材の味の違いはわからなかった。どれもソフトな食感で、濃厚な風味が印象深い。ただ、冷凍・解凍の過程で変化が生まれるのか、ブイヤベースのスープ部分と赤ワインのソースは、冷凍版の方がわずかにサラサラとしていた。
いずれにしても、よく注意して口にしないと、実際の提供版との違いはわからないクオリティーだ。ホームパーティや、来客のおもてなしで、存分に活躍できる逸品だと思った。