10月27日に改善要求があったばかり
会計検査院は10月27日、厚生労働大臣に対し、COCOAの開発や保守などについて是正・改善を求めていた。改善要求の文書によると、厚労省はCOCOAの開発・保守のため、20年9月から21年4月までの間、業務委託先の「パーソルプロセス&テクノロジー」(パーソル)に対し約3億8088万円を支払っている。
そして21年2月、厚労省はCOCOAの接触通知が正常に機能していない不具合が発生していたと発表した。この不具合は、20年9月リリース版のアプリから起きていた。バグが長期間見逃されていた原因は、アプリの動作について適切なテストが実施されなかったことなどにあるとしている。
会計検査院の検査の結果、厚労省は、適切なテスト実施のために定められる対象項目や、テストの実施目的・実施内容といった具体的な事項を業務委託時の仕様書に一切定めていなかったという。
文書によると、厚労省は今後もCOCOAを引き続き運用していく。これにあたり、テストの実施目的や内容を明確に定めることや、不具合などに関する外部からの指摘をしっかりと開発・保守に反映できる態勢を構築することを求めた。
さて、厚労省発表の直近のCOCOA利用状況を見ると、9月30日から10月29日までの間に290件の陽性登録があった。一方、同期間の国内新規陽性者数は厚労省発表を合計すると1万8448人。単純計算で登録率は約1.57%ということになるが、不具合続きで普及状況もイマイチな中、いつまで運用は続くのか。