新型コロナウイルスの新たな変異株が南アフリカで見つかった。すでに感染が広がりつつあるようだ。デルタ株よりも強力という報道もあり、英国は早くも、アフリカ6か国からの入国制限をしたという。
「ワクチンがより効きにくいかも」
AFP=時事によると、この新たな変異株は今のところ「B.1.1.529」と呼ばれている。南アフリカの1日当たりの感染者数は、今月初めには約100人にとどまっていたが、24日には1200人を超えた。「B.1.1.529」が感染者増の要因になっているという。
非常に多くの変異が認められており、すでにボツワナや香港でも、南アからの渡航者から検出された。
英国は2021年11月25日、アフリカ南部6か国からの入国を制限すると発表。読売新聞によると、対象は南アのほか、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナ、レソト、エスワティニの各国。サジド・ジャビド保健相は記者団に対し、新たな変異株はインド由来の変異ウイルス「デルタ株」よりも感染力が強く、「現在のワクチンがより効きにくいかもしれない」と述べた。
ブルームバーグも、南アのファーラ保健相が、「深刻な懸念をもたらす変異株だ」と語っていることを伝えている。
日本では未確認
共同通信は、この変異株が、免疫を回避する性質や高い感染力を持つ恐れがあり、専門家が慎重に検証していると報じている。
韓国の中央日報は「デルタより強い、アフリカ発『Nu』ウイルス...『エイズ患者でコロナが変異』」という記事で、英国デーリーメール紙の報道を引用しながらさらに掘り下げている。
この変異種ウイルス「Nu(B.1.1.529)」は、「感染力が強くワクチンにも耐性がある」「デルタ株よりも強い可能性がある」「診断を受けなかった後天性免疫欠乏症(エイズ・AIDS)患者がコロナに感染し、該当の変異株ウイルスを発病した可能性がある」などという英国の専門家の見方を伝えている。
松野博一官房長官は26日午前の記者会見で、現時点では日本で確認されていないことを明らかにした。しかし、ネットでは水際作戦の強化を求める声が出始めている。スポーツ報知によると、立憲民主党の蓮舫参院議員は26日、ツイッターで「アフリカの変異株への最大の注意が必要です。日本への入国制限規制緩和の見直し、ならびに補正予算編成時には発生していない変異株への迅速な対応も必要です」と警戒強化を呼び掛けた。