人生半ばのモヤモヤ
プレシャスの企画は冒頭、更年期についてこう記す。
〈女性なら誰もが迎える、心身が揺らぎやすい時期です。人生100年といわれる時代にあって、その半ばに、なんだかモヤモヤ、ザワザワしている人も多いのでは? そんなときは、人生の先輩や同年代の話を聞くに限ります!〉
「第二のお年頃」にどう向き合い、どう楽しむか。乗り越えるという意識を捨て、若い時代とも比べず前向きに受け止めれば、光は必ず見えてくると。酒井さんが、ひとつ下の世代に贈るアドバイスは、「好きなもの(人)が心を躍らせる」ということである。
50代でNY単身赴任を受け入れた女性のエネルギーも、仕事への愛着が源だと考える筆者。渡米ほど劇的な一歩でなくても、何かを好きになる、好きでいることが新たな生活へと背中を押してくれるはず、と提案する。
もちろん現実には、それなりの条件に恵まれなければ「自由にダンスを踊る」わけにもいかない。それでも、様々なしがらみを振り切って、まずは「好き」をどんどん口に出そうよというメッセージだろう。気の持ちようが現実を変えることだってある。
昨今「ニューヨークで新生活」と聞けば、あのご夫妻を連想する読者も多かろう。酒井さんの「好き力」論に従えば、これまでの相思相愛が続く限り、前途は明るそうだ。
冨永 格