好きになる力 酒井順子さんは、何かに夢中になって更年期を楽しもうと

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人生半ばのモヤモヤ

   プレシャスの企画は冒頭、更年期についてこう記す。

〈女性なら誰もが迎える、心身が揺らぎやすい時期です。人生100年といわれる時代にあって、その半ばに、なんだかモヤモヤ、ザワザワしている人も多いのでは? そんなときは、人生の先輩や同年代の話を聞くに限ります!〉

   「第二のお年頃」にどう向き合い、どう楽しむか。乗り越えるという意識を捨て、若い時代とも比べず前向きに受け止めれば、光は必ず見えてくると。酒井さんが、ひとつ下の世代に贈るアドバイスは、「好きなもの(人)が心を躍らせる」ということである。

   50代でNY単身赴任を受け入れた女性のエネルギーも、仕事への愛着が源だと考える筆者。渡米ほど劇的な一歩でなくても、何かを好きになる、好きでいることが新たな生活へと背中を押してくれるはず、と提案する。

   もちろん現実には、それなりの条件に恵まれなければ「自由にダンスを踊る」わけにもいかない。それでも、様々なしがらみを振り切って、まずは「好き」をどんどん口に出そうよというメッセージだろう。気の持ちようが現実を変えることだってある。

   昨今「ニューヨークで新生活」と聞けば、あのご夫妻を連想する読者も多かろう。酒井さんの「好き力」論に従えば、これまでの相思相愛が続く限り、前途は明るそうだ。

冨永 格

冨永格(とみなが・ただし) コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。
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