コロナ禍で「独学」ブーム 在宅勤務で勉強時間増、20万部超えの書籍も

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『独学でよかった』

   「独学」は今に始まったことではない。戦後間もないころの日本ではだれもが大学に進めるわけでもなかった。

   大御所の映画評論家、佐藤忠男さんもそんな一人だ。最終学歴は工業高校の定時制。すでに14年刊の著書『独学でよかった』で、読書を通じた独学の良さを振り返っている。同書の巻末には「独学派にすすめる99冊」がジャンル別に、佐藤さんのミニ解説付きで掲載されている。


   『「勤労青年」の教養文化史』 (岩波新書)によると、戦後の日本では、働きながら夜学で学んだり、読書会や学習サークル、人生雑誌、青年団活動などを通じて知識や教養を広げたりした若者は少なくなかった。「勤労青年」と呼ばれた。当時の日本では、「人文知は、インテリ層のみに支えられるのではなかった」。日本人の教養や知的欲求は「格差に喘ぐ若者たちによっても下支えされていた」と指摘している。

   コロナ禍では、教養的な独学だけでなく、実利を目指す独学も目立っている。朝日新聞は11月18日、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナー、社会保険労務士など、資格試験の受験生が増えているという記事を掲載。理由として在宅勤務が増えて自宅で過ごす時間が多くなったことなどを挙げている。TACでは受験対策用の書籍の売れ行きが好調で、同社の出版事業は前年同期比39%増の売り上げだという。

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