「カフェオレ理論」で仕事もやりたいこともwin-winに
取材の最中、記者がふと感じたことがある。楽曲にまつわるどんな質問を投げかけても、二人は「何となく直感で」「どうしてそうしたかわからない」と曖昧な答え方をせず、しっかりと理論だった説明を返してくれるのだ。タカノさんは「これも仕事を通じて得られたスキルでしょうね」と語る。
「『やりたいことを仕事にする』って、ハードルが高いですよね。だからこそ、仕事とやりたいことを混ぜたらいいと思うんです。僕は『カフェオレ理論』と呼んでいます。仕事がコーヒー、やりたいことをミルクとすると、カフェオレを作るようなイメージです」(タカノさん)
カフェオレは、コーヒーとミルクの割合が1:1。仕事(本業)と、やりたいこと(副業)とを上手くミックスし、win-winになるような働き方を目指すということだ。
SKYTOPIAさんも「少しでも音楽に近づきたい」という思いを糧に、銀行員からキャリアチェンジ。ただ、初めから順風満帆だったわけではない。興味のあることを見つけたら、「失敗してもいいや!」と何度も積極的にチャレンジを繰り返し、やりたいことを少しずつ手繰り寄せてきた。
「現在所属している企業に契約社員として入社したときは、音楽とは関係のない部署でした。そこから社内公募システムなどを積極的に活用し、現在はアーティストと関われる仕事に就いています。イギリスでは挫折も味わいましたが、今が一番幸せだと胸を張って言えます」