紅茶と言えばインドや西欧のイメージが強いが、生産量が年々増えているのが「和紅茶」だ。現在は全国800超の市区町村で生産されている。
和紅茶の中でも特に甘みが強いとされるのが、鹿児島県南九州市知覧町郡で生み出される「知覧紅茶」だ。烏龍茶や緑茶、ほうじ茶、麦茶など他のお茶と比べて、どれほど違いがあるのか。同社の商品7種を飲み比べてみた。
甘いのに後味はスッキリ
今回、用意したお茶はこの通り。
・かごしま知覧紅茶 無糖(以下、知覧茶)
・にっぽん烏龍(以下、烏龍)
・富良野ラベンダーティー(以下、ラベンダーティー)
・加賀棒ほうじ茶(以下、ほうじ茶)
・北海道コーン茶(以下、コーン茶)
・伊達麦茶(以下、麦茶)
・東京緑茶(以下、緑茶)
まず、知覧茶を常温で頂く。
一口含むと、ほのかに紅茶の甘いにおいが広がった。ただ添加物を思わせる甘さはなく、口当たりがさらっとしている。ややスッとした後味があるが、しつこくはない。記者は一般的な清涼飲料水の「微糖」でも甘さが強いと感じることがあるが、これについては程よい加減でおいしく味わえた。食事中と、甘味を食べた後にそれぞれ飲んでみたが、どちらにもマッチする。飲むシチュエーションを選ばなさそうだ。
続いて、烏龍、ラベンダーティー、ほうじ茶、コーン茶、麦茶、緑茶を一気に飲み比べた。甘みのなさが際立って感じられたのは、烏龍、ほうじ茶、麦茶だ。香ばしく、すっきりしていて、もちろんおいしいが、料理やスイーツの「余韻」を感じたいときには知覧茶に軍配が上がる。
ラベンダーティー、コーン茶は、鼻先に近付けた瞬間に独特の香りが広がる。ラベンダーティーは知覧茶の甘さとは少々異なる華やかな印象で、ジャスミンティーやハーブティーのよう。コーン茶は何かと合わせるというより、お茶単体で主役になれる。「コーンを食べている」とまでは言えないが、他のお茶以上に満足感が得られた。
「茶葉の甘みを感じる」という点で、最も知覧茶と波長が近いと感じたのは緑茶だ。さらりとした軽い口当たりも似ている。ただ甘さは、知覧茶の方が一段上のように感じた。